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金環日食、天仰ぐ県内。観察会や婚姻届も/神奈川

社会 神奈川新聞  2012年05月22日 00:28

雲の切れ目からくっきりと見えた金環日食=21日午前7時34分、臨港パーク
雲の切れ目からくっきりと見えた金環日食=21日午前7時34分、臨港パーク

雲間からのぞいた黄金色のリングに、歓声がわき起こった。県内では163年ぶり、横浜や川崎などでは173年ぶりとなる天文ショー。各地で開かれた観察会では、曇り空とにらめっこを続けた子どもたちの笑い声がはじけた。この日を人生の「記念日」に選んだカップルも。次に県内で“奇跡”が観測できるのは29年後―。

直前まで雨を落としたねずみ色の空に、金の環がのぞいた。「来てる、来てる」。登校を1時間早めた相模原市立共和小学校(中央区)の校庭で、宇宙航空研究開発機構(宇宙機構)の職員を招いた観察会に参加していた児童が、驚きと喜びの交じった声を上げた。

児童らは観察用シートであおいで雲をどかそうとしたり、真剣な表情で拝んだりと懸命。シートを使い忘れる子も続出し、教諭が「シートを当てて」と声をからした。3年の黒沢樹希さん(8)は「きれいだったね。奇跡だね」と級友と顔を見合わせた。

川崎市多摩区の「かわさき宙(そら)と緑の科学館」前の生田緑地中央広場の観察会では、学芸員が「(日食は)現在89%まで進んでいます」「(金環日食まで)後2分30秒です」などと解説した。カウントダウンは日食開始、金環開始、金環最大、金環終了―の4度実施。金環日食中はほぼくっきりと見え、「きれい」「丸くなった」と集まった親子連れなど約千人から拍手が起きた。

最新の天文学で主流の「電波観測」を行ったのは、県立柏陽高校(横浜市栄区)の1年生35人。宇宙機構職員の指導で、校舎屋上に設置した衛星放送用のパラボラアンテナで太陽の電波をとらえ、電圧に変換。日食中の変化を調べた。

参加した蝶野晴香さんは「日食中は電圧が下がった。電波でも天体観測ができる」と目を輝かせた。9月の文化祭で分析結果を披露するほか、他校の観測データとも比較する予定だ。

世紀の天文ショーを「節目の日」にしたカップルも。

中心線が区内を通る横浜市緑区役所では、この日に合わせ職員手作りの記念撮影用ボードを用意。近くの公園で観察後、婚姻届を出しに来た助川浩二さん(38)=同市南区=と浦野るり子さん(43)=川崎市麻生区=は、ボード前でパチリ。3月まで緑区役所に勤めていた浦野さんが企画を知り、この日の提出を提案したという。助川さんは「一生記憶に残ります」と照れくさそうだった。

横浜市旭区のよこはま動物園ズーラシアは開園時間を午前6時に早め、約2900人が動物たちと一緒に観察した。インドゾウやシロミミキジなどで、普段はあまり見られない行動が確認されたという。

同園によると、インドゾウは、通常は午前11時ごろの水浴びを同7時半ごろにした。シロミミキジは2回鳴き声を上げたという。

村田浩一園長(60)が教授を務める日本大学の学生らは、1分単位でチンパンジーを観察。明確な異常行動は認められなかったが、8頭のうちの1頭が普段は登らない高い木に登り、日食を見ていたような行動を取った。今後、日食との関連を分析する。

市立上白根小学校5年の入江渚生(しょう)君(10)は、チンパンジーが「驚く」、同学年の星野夏鈴(かりん)さん(10)は「寝ちゃう」と予想。実際は、日食に歓声を上げた客を見つめただけで、入江君らは「チンパンジー、普通」と話していた。

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減光フィルターを使って眺める児童=21日午前7時37分、相模原市立共和小学校
減光フィルターを使って眺める児童=21日午前7時37分、相模原市立共和小学校

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