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原油高影響ジワリ、ハウス農家、クリーニング店…/神奈川

社会 神奈川新聞  2012年04月13日 11:16

燃料費の高騰を見据え、約5年前にボイラーを切り替えた稲村クリーニング=横浜市港南区
燃料費の高騰を見据え、約5年前にボイラーを切り替えた稲村クリーニング=横浜市港南区

原油高が生活を支える産業にも影響を及ぼしている。価格の上昇は中東情勢の緊迫感が和らぎ一服したとはいえ、依然高い価格水準。ハウス栽培農家やクリーニング店などは、ジワリと響いてくる採算悪化に頭を悩ませている。今後の中東情勢によっては再び高騰するリスクもあり、先行き不安は消えないままだ。

ハウスでトマトを栽培する伊勢原の農家の辻敦史さん(30)。新規就農で昨年から温室で栽培を始めたばかり。重油のボイラーを使っている。

昨年10月に重油を補充したときは、1リットル=65円ほどだった。それが2月には76円ほどに。無加温で栽培している農家もいるが、重油を使わないと収量は減り、通年栽培もできない。

辻さんは「まだ1年目なので採算が合うかどうかわからない。とにかくやってみるしかない」。

店で使用する物品の多くが石油に由来するクリーニング業も深刻だ。稲村クリーニング(横浜市港南区)の稲村隆治社長(68)は、プラスチックのハンガーや包装ビニール、溶剤などの仕入れ価格の上昇が心配だ。

幸い燃料価格の高騰を見越し、5年前に灯油ボイラーからガスに切り替えた分、影響は抑えられたが、稲村社長は「重油ボイラーなどを使っている同業者も少なくない。後継者不足もあり『やっていけない』と嘆く仲間もいる」と代弁する。

同業者の中には、安価な洗剤に切り替えた途端、製品の仕上がりに響いてしまい、顧客を失った店もあるという。

ガソリン価格も高い水準には変わりない。県内の個人タクシー協同組合の幹部は、「仕事量は少ないままだが、燃料費は高い。かなり厳しい」とこぼす。組合員の個人タクシーは、ガソリン車からハイブリッド車などへの切り替えを加速させているという。

先行き不透明な原油価格が、景気回復の足かせになると指摘する声もある。日銀横浜支店・山田泰弘支店長は「原油高は下期の(経済の)下ぶれリスクになり得る」と話している。

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