1. ホーム
  2. スポーツ
  3. 松永、意地の2連覇 陸上・全日本競歩能美大会

松永、意地の2連覇 陸上・全日本競歩能美大会

スポーツ 神奈川新聞  2017年03月20日 02:00

【男子20キロ競歩】1時間19分40秒で連覇を飾った松永大介=石川県能美市
【男子20キロ競歩】1時間19分40秒で連覇を飾った松永大介=石川県能美市

 陸上の世界選手権(8月・ロンドン)代表選考会を兼ねた20キロ競歩の全日本競歩能美大会は19日、石川県能美市の日本陸連公認コースで行われ、男子は昨年のリオデジャネイロ五輪7位の21歳、横浜高出身の松永大介(東洋大)が1時間19分40秒で2年連続2度目の優勝を決めた。

 既に陸連が定めた派遣設定記録を突破しており、今回は日本人1位の条件を満たして初の世界選手権代表に決まった。

 代表枠は最大3。2月の日本選手権を制した高橋英輝(富士通)は決定済みで、残る1枠は日本選手権2位の藤沢勇(ALSOK)が有力。女子は浅田千安芸(DNP西日本)が1時間32分12秒で制したが、派遣設定記録に届かなかった。リオ五輪代表の岡田久美子(ビックカメラ)は4位だった。

世界選手権切符つかむ 攻めて有終飾る


 「プライドが体を突き動かした」。学生最後のレースを勝利で飾り、松永は両腕を高々と掲げた。リオデジャネイロ五輪でも7位入賞した前回王者として、そう簡単に世界への切符は譲れなかった。

 スタートとともに飛び出した。攻めのレースこそ自らの勝ちパターン。3キロすぎには、最大のライバルと目されていた山西(京大)を引き離し、最後まで先頭を明け渡すことはなかった。

 「2番以下なら順位は一緒。勝ちパターンなら勝てると自分の気持ちを信じていた」。このレースに懸けていたが、万全の状態で迎えたわけではない。故障のために2月の日本選手権を欠場し、世界選手権の出場権獲得は今大会の一発勝負という状況に追い込まれていた。

 昨夏のリオ五輪を終え、東洋大理工学部で建築物の地盤について勉強する4年生に待っていたのは卒業研究と論文。「ケアもできず、研究室の椅子の上で寝ていた。3日連続起きて半日寝ての繰り返し」。アスリートとはほど遠い生活の間、体重は4キロ増え、11月には右仙骨、年明けには左足首、左膝を痛めた。

 スタート前まで不安は拭えなかったものの、矜(きょう)持(じ)があった。「五輪に出るのは並大抵のことではない。(東洋大の)鉄紺のユニホームを着ている限り学生に負けられない」。信念が足を進めさせた。

 4月からは名門・富士通に進み、8月の世界選手権に挑む。「東京五輪まで時間はない。どこでメダルを取るかと考えたら今年が一番チャンス。勝負にいきたい」

 惜別のレースを締めくくり、21歳は大きな未来へ歩み出す。


シェアする