時代の正体〈662〉外交で進む道模索を NPO法人ピースデポ・特別顧問 梅林宏道氏(下)|カナロコ|神奈川新聞ニュース

時代の正体〈662〉外交で進む道模索を NPO法人ピースデポ・特別顧問 梅林宏道氏(下)

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2019/01/13 09:43 更新:2019/01/13 09:43
梅林宏道氏

梅林宏道氏

 政府が閣議決定した新たな防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」と次期中期防衛力整備計画(2019~23年度)からは、憲法9条に基づいて日本がとってきた専守防衛政策から事実上、方針転換する姿勢が垣間見える。日本の防衛のあり方はどうなっていくのか。NPO法人ピースデポ(横浜市港北区)の梅林宏道特別顧問は「外交の力で脅威は軽減できるはずだ。世界には先例がいくつもある」と指摘する。

 -大綱について、率直にどう思うか。

 「日本が戦後、平和憲法下で築いてきた防衛政策を急激に、大胆に変えようとするもので、良くない。日本がとってきた専守防衛の政策は、世界に先駆けたものだと思っている」

 -専守防衛を崩したい背景には何があるか。

 「日米安保体制のもとに、自衛隊は自立した軍隊にまずなると。そして、やがては米国と対等、平等な安保体制にして、堂々と世界的に軍事力をもって独自外交ができる国になりたいと思っている安倍晋三首相をはじめとする人たちが、着々と進めているということだと思う。だが、それは古い考え方で、それが当たり前の国では決してない。国連は、紛争を基本的に外交で解決しようとできた組織で、日本はある意味、それに先駆けて専守防衛という立場をとってきた存在だろう。堂々と日本の売りとして海外に評価させればいいと思うが、わざわざ間違った古い道に戻している。それでは、お金もかかるし、戦争の危険も常にある。外交方針の間違いだ」

 -なぜ、古い道に戻りたいのか。

 「外交的代案が感覚として人びとに伝わっていないからだと思う。不安が優先し、説得力を持ってしまっている。だが実際には、外交の力によって脅威を軽減できることは、いくらでも手本がある。最近でいえば、韓国の文在寅(ムンジェイン)政権による北朝鮮への対応がそれだ。とにかく軍事的緊張ではなく対話で、経済関係を密接にして、というふうに進もうとしている。また、モンゴルは冷戦終結を契機に、それまでのソ連の属国という立場から、非同盟中立路線を打ち出した。自分の国はどこにも付かず、核も置かせないと非核宣言をし、国連総会で大国は非核国としての地位をおびやかさないでほしいという宣言を出し、全会一致で採択させた」...

PR