米軍「横田空域」撤廃求める意見書、藤沢市議会が不採択|カナロコ|神奈川新聞ニュース

米軍「横田空域」撤廃求める意見書、藤沢市議会が不採択

常任委は可決、本会議で一転

横浜ノースドックを離陸する米軍輸送機オスプレイ=4月、横浜市神奈川区

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 米軍が管制権を持つ「横田空域」の撤廃を政府に要求する意見書の採決が21日、藤沢市議会本会議であり、賛成少数(賛成15人、反対19人)で否決された。意見書は市民団体の陳情が11日の総務常任委員会で了承されたことを受けて作成され、本会議に諮られたが賛否が一転した。

 横田空域は、日米地位協定に基づき、米軍横田基地が管制を担当する1都8県に広がる空域。戦後73年たったいまも空域の返還には至っておらず、日本の民間機は自由に飛行できない状況が続いている。

 一方、日本政府は2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、羽田空港の国際線を増便させるため、東京都心上空に新たに飛行ルートを設定。新ルートが「横田空域」を通過することから、現在、日米両政府が空域を通る一部旅客機の管制を日本側で行う方向で調整している。

 陳情は、こうした状況を踏まえて、基地問題などに取り組んでいる市民団体「自主・平和・民主のための広範な国民連合・神奈川」が11日の市議会総務常任委に提出。「戦後73年たったいまも理不尽で、主権国家としてあるまじき屈辱的な状態が続いている。(今回の日米両政府の調整を機に)首都圏の上空の主権を取り戻す声を大きく広げるべきではないか」と主張し、横田空域の撤廃を政府に要求する意見書の提出を議会に求めた。

 これに対し、議員からは「空域撤廃が実現できれば、日米地位協定の抜本改定に向けた具体的な一歩になる」(共産党藤沢市議会議員団)、「日米安全保障にかかわる案件。国が責任を担うべきでわれわれは動向を見守るべき」(藤沢市公明党)と賛否両論が上がり、採決では4対3の賛成多数で了承された。

 しかし、この日の本会議での採決では一転。民主クラブ(9人)、共産(4人)、市民派クラブ(1人)が賛成したが、保守系のふじさわ湘風会(6人)、公明(5人)、自民党藤沢(1人)が反対。市民クラブ藤沢は賛成1人、反対7人と分かれた。

 日米地位協定を巡っては今年7月、全国知事会が抜本的見直しを求める提言を全会一致で採択し、国に要請していた。

横田空域 1都8県(東京、栃木、群馬、埼玉、神奈川、静岡、山梨、長野、新潟)の上空に、高度約2450メートルから約7千メートルまで6段階の階段状に設定された空域。在日米軍の訓練空域などがあるため横田基地が管制を担当し、域内には厚木など米軍や自衛隊の基地がある。日本側は全面返還を求めているが、米側は「米軍の運用上の問題で困難」としている。主に羽田空港の出発機が、北陸や西日本方面に向かうルートを遮る形になるため、南側への迂回(うかい)や高度制限を強いられている。1992年に約10%、2008年に約20%が返還された。

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