コンテナ船、新聞に ジュニア・シッピング・ジャーナリスト賞国土交通大臣賞の佐藤さん
- 横浜みなと新聞|神奈川新聞|
- 公開:2018/08/27 10:31 更新:2018/08/27 10:56
相模女子大学高等部1年の佐藤一葉さん(15)は、横浜港を巡る観光船「マリーン・シャトル」から身を乗り出すようにして叫んだ。
横浜市中区の本牧ふ頭コンテナターミナルではコンテナ船が着岸し、赤と白に塗られた巨大クレーンが色とりどりのコンテナを次々と積み込んでいる。
「操縦室って、一番高い所にあるんでしょ。私、高所恐怖症だから登れないかも」。隣にいた姉の栞(しおり)さん(19)の腕にそっとしがみついた。
海運や船、港などをテーマに児童生徒が作った新聞を表彰する2017年度の「ジュニア・シッピング・ジャーナリスト賞」(主催・日本海事広報協会)に中学部3年のときに応募し、1位に当たる国土交通大臣賞に輝いた。
タイトルは「海を翔(か)ける宝箱」。私たちの暮らしを国際物流で支えるコンテナ船に興味を持ち、図書館に通いながら2カ月かけてコンテナの国際規格や積み方、コンテナ船の乗員数を調べ上げた。挿絵を使い表現を工夫したことで、国交相から「専門的なことまでよく調べ、分かりやすく丁寧に書かれた、努力がうかがえる作品」と高い評価を受けた。
「ガントリークレーンやコンテナ船を間近で見てみたい」。コンテナの役割や魅力に惹(ひ)かれていた佐藤さんを本紙で知った横浜港振興協会(藤木幸夫会長)が今月15日に佐藤さん家族を横浜港に招いた。
一行はマリーン・シャトルで港内を周遊した後、横浜港シンボルタワーへ。展望台で行き交う船を食い入るように見入っていたのは「大の船好き」という父親の大輔さん(48)だ。
「受賞をきっかけに、一葉と船の話をするようになった」と大輔さん。佐藤さんは「受賞を特に喜んでくれたのはお父さん」と話し、2人で港を眺めながら親子の絆を強めていた。
最後に訪れた横浜港大さん橋国際客船ターミナルでは、豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」の出港シーンに感激した様子。将来はデザイナーになりたいという夢を持つ佐藤さんの目は輝いていた。
「横浜港が好きになった。横浜港の魅力を伝える仕事もいいかな」
本年度の「ジュニア・シッピング・ジャーナリスト賞」は10月31日まで募集中。問い合わせは運営事務局(プラスエム内)電話03(6222)5250。