壁をこわす(8)注目の「介護奨学生」制度 多分野の目標に活用|カナロコ|神奈川新聞ニュース

壁をこわす(8)注目の「介護奨学生」制度 多分野の目標に活用

 介護関連の仕事で大学や専門学校の学費を賄う「介護奨学生」制度がじわりと注目を集めている。「学費を稼ぐだけでなく、超高齢化社会の中で活躍する人材を育てたい」と新聞奨学生の経験がある男性が起業。2015年春から「ミライ塾」の名称で学生を受け入れ、介護事業者との仲介役を果たす。初年度は1人だった奨学生は現在11人。評判を聞きつけた高校生らからの資料請求は本年度は200件を超える。目指す本業に加え、介護のスキルも身に付けて自身の付加価値を高めたいという若者を中心に、着実に浸透し始めている。

 「夢を実現するためにも、高齢者介護の現場経験は絶対に役立つはず」。ホスピタリティツーリズム専門学校(東京都中野区)の夜間部に通う舩木瑛さん(19)=川崎市宮前区=が力を込める。

 16年春、ミライ塾の「塾生」となり、専門学校に進学した。年間70万円ほどの学費はミライ塾に紹介された市内の高齢者施設での給与を中心に支払う。

 福祉系の高校に通っていたこともあり施設での仕事に抵抗感はなかったが、介護の道に進むことは考えていない。目指すのはホテル業界のプロだ。「東京五輪・パラリンピックに向け、外国人や障害者、高齢者がホテルを利用する機会も増えるはず。『介護のプロ』として働ければ多様な人に応対できると思う」

 現在は週5回、日中7時間ほど施設で就労。担当する入浴介助では1人30分ほど高齢者と向き合って対話する時間があるといい、「奨学生として夢に向かって頑張っているのを知ってくれていて、認知症であっても『今日は学校どうだった』と気遣ってくれる。苦では全くないし、むしろ励みになる」と舩木さん。「ホテル業界は高齢者が温泉に入浴できる施設がまだまだ少ない。入浴介助の経験を生かして利用客の要望に応え、喜んでもらえる従業員になりたい」

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