ナノ技術、中小にも道 クリーンルーム新産業創造センター|カナロコ|神奈川新聞ニュース

ナノ技術、中小にも道 クリーンルーム新産業創造センター

新川崎・増える利用、操作支援も

目の前のディスプレーに装置の操作方法が映し出されるウェアラブル端末=幸区のNANOBIC

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 かわさき新産業創造センター(川崎市幸区新川崎)の新館「NANOBIC(ナノビック)」にある大型クリーンルームの企業利用が増えている。最先端の超微細(ナノマイクロ)技術研究開発装置が使えるからだ。中小企業の活用をさらに促そうと、装置の操作方法をウェアラブル端末で支援する試みも始めた。

 ナノビックは産学官連携による新産業創出を目的に「新川崎・創造のもり地区」に市が2012年4月に約18億円を投じ整備。慶応大、早稲田大、東京工業大、東京大の4大学コンソーシアムと日本IBMなど5社が入居し、研究開発を行っている。

 マイクロ(100万分の1)メートルからナノ(10億分の1)メートルサイズの超微小、超精密な領域での技術は、半導体や医療、環境などに応用される次世代の成長分野。その研究で欠かせないのがちりやほこりを防ぐクリーンルームだ。

 ナノビックの大型クリーンルーム(約750平方メートル)には4大学が所有する超微細技術の装置36基が備わり、加工、試作、計測、評価といった一連の作業ができる。

 市内外の企業に利用が開放されており、東京大学大学院の三宅亮教授は「企業にとって自前のクリーンルームを設けなくても(有料の)レンタルラボがあるイメージ。ここに来れば大学との共同研究も探れる」と説明。企業などの延べ利用時間は13年度約700時間、14年度約2千時間、15年度約3300時間と年々伸びている。

 ただ、“初心者”の中小企業はすぐに装置を使いこなせない上、紙媒体の説明書をクリーンルーム内に持ち込みもできないため、操作支援が課題だった。

 このため、4大学は頭部に装着するグラス型のウェアラブル端末で操作案内する方法の実証実験を日立LGデータストレージ社と共同で始めた。各装置に貼り付けたQRコードをスキャンすると、右目の前のディスプレーに動画で操作方法が映し出される仕組みだ。

 三宅教授は「中小企業の人たちは発想力が豊かで商品化のアイデアを持っている。装置を少しでもスムーズに使えるようにしたい」と説明。中小企業を対象にした装置ごとの実習会も3月から開催する。

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