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21日、県民ホールで上演
三島由紀夫題材のバレエ「M」 プリンシパルが語る魅力

神奈川新聞 | 2020年11月13日(金) 11:49

出身地である横浜への愛着は人一倍。「山下公園に面した県民ホールは横浜の力を感じられるホール。潮風を感じられる街が大好きです」=東京都内(撮影・花輪久)

 ことし没後50年の三島由紀夫を題材にしたバレエ「M」が21日、県民ホール(横浜市中区)で上演される。フランスの振付師、故モーリス・ベジャールが東京バレエ団のために創作したオリジナル作品で、同ホールで上演されるのは初めて。同バレエ団のプリンシパルとして活躍する沖香菜子は「何度見ても違う感動がある、濃密な舞台」と作品の魅力を語る。

 1993年に初めて上演された同作品は、三島の作品、精神、生涯を一つのバレエ作品にまとめたもの。「イチ」「ニ」「サン」「シ(死)」という4人の男性に導かれる「少年ミシマ」の存在を軸に、「鹿鳴館」や「金閣寺」など三島が生み出した名作のイメージが展開される。シンプルな衣装に身を包んだダンサーたちの、研ぎ澄まされた動きから放たれるエネルギーはすさまじく、観客に鮮烈な余韻を残す。

 「禁色(きんじき)」をモチーフにしたシーンに登場する「オレンジ」を演じる沖は「この作品に出られることがとてもうれしい」と声を弾ませる。今回「女」を演じる上野水香以外のキャストはほぼ全員初めてその役を演じるといい「ベジャールさんに直接指導を受けた、初演時の先輩ダンサーの皆さんにアドバイスをいただきながら表現を磨いてきました」と練習の日々を振り返る。

 上演に当たり、ダンサーはそれぞれ三島の作品を読み、理解を深めてきた。「言葉の選び方が素晴らしく、いろいろと感じるものがありました。『M』は小説をそのまま舞台化した作品ではありませんが、三島由紀夫という作家が好きで、バレエを見るには初めてという方にも豊かな世界観を楽しんでもらえる作品になっていると思います」

 印象的な場面の一つが自決のシーン。「満開の桜が散っていく瞬間は、菊池洋子さんが演奏するピアノの音色も美しく、気付くと涙が出ているほど感動的でした」と話す。自身もピアノの生演奏で踊る場面がある。「菊池さん自身の表現も音楽に込められている。踊りだけでなく、音楽の素晴らしさも感じてもらえる舞台になっていると思います」

 ひたむきにバレエに取り組み、数々の舞台に出演してきた沖は今年、横浜文化賞を受賞。中学生から過ごした同市港北区でバレエ教室を開講し、幅広い世代の指導にもあたっている。「プロのバレエダンサーを育てたいという気持ちはもちろんありますが、何よりもバレエの美しさや楽しさを感じてほしいです」とほほ笑む。

 自身が目指すのは「違う作品ではどんな表現を見せてくれるのか期待してもらえるダンサー」。「舞台を見て下さった方に、他の役で踊る沖さんも見てみたい、と思ってもらえたらうれしいですね」

 21日午後3時開演、S席1万円など。チケットはチケットかながわ、電話(0570)015415。

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