私が、このニュースを初めて知ったのは、テレビで見たニュースでした。燃える建物の映像や暴動の様子を見て、とても驚きました。さらに、それが実は、イギリスの事件だと知り驚きが倍増しました。なぜならそれまでの私の中のイギリスのイメージが「王室のある紳士の国」といった、落ち着いたイメージの穏やかな国だと思っていたからです。テレビのニュースでは、あまり詳しい内容が解らなかったので新聞を読んでいてこの記事を見つけました。
新聞ではニュースで伝えられていなかった詳しい内容が掲載されていました。燃えていた建物は、ソニーの倉庫で出火直前には若者約二十人が電気製品やDVDソフトを持ち出していたそうです。他にも家具工場が放火されたり、車内で射殺された人もいると記事に載っていました。また、商店のショーウインドーをたたき割り略奪した若者達が夕刻に商店が閉店した後、工場や倉庫に向かったという。九日の朝までに五百二十五人が逮捕され負傷者は、六十人以上にもなったそうです。
今年、春にロイヤルウエディングで華やかなニュースを世界中に届け来年にはオリンピックも開催されるイギリスに何が起こったのでしょうか、記事には発端から詳しく掲載されていました。
発端となった事件は、ロンドン北部トットナムでの黒人射殺事件で麻薬取引を捜査中の警官が不審な男性が逃げただけで発砲して、「人種偏見に基づく過剰な対応」と反発が広がったそうです。黒人が暴動を起こすのは、まだ解るがその放火や略奪に加わった若者の中には白人の姿も目立つと記事に載っていました。イギリスでは若年層で深刻な失業問題があり若者たちの政府への不満が募り暴動となったともいわれています。インターネット普及によりツイッターやフェィスブックなどで、呼びかけ合うことによって暴動が拡大され、一カ所で鎮圧してもすぐ別の場所で略奪や放火が起きる「もぐらたたき」のような状況になっているそうです。
鎮圧する側の政府の対応は危機事態対策会議を招集、治安回復にあらゆる措置をとると述べ、首都配備の警官一万六千人に増やす方針を表明し、また「ツィッターなどで扇動した者を逮捕する」と警告したりさまざま対応をした。一部ではインターネットの呼びかけは大半は興味半分の書きこみで、政府の過剰反応ではないかという意見もあると記事に掲載されていました。
一つの新聞記事で事件の発端から今の状況まで、とても詳しく掲載されていてわかりやすかった。政府の対応、若年層がかかえる不満やマスコミの意見、それぞれの目線から記事が書かれていて片寄った意見の記事ではなくて事件の全容が解った。
日本でも政府への不満をもってる人もいるが暴動を起こして、放火や略奪をする人はいないがイギリスではそれが今起きてしまっています。イギリスは普段は暴動のニュースなどあまり聞かないが人の意見が集まることによって事は大きく拡大してとても恐ろしい事に発展してしまうのだなと思った。
(朝日新聞 8月10日付)
三月十一日、私はテレビの映像にぞっとした。次々と流れていく家や車。燃え続けるガスタンク。そして日付が変わると福島第一原発の事故。授業で習った日本のエネルギー事情を思い出しながら見たのを覚えている。
その授業を通して、以前から疑問に思っていたことがあった。それは唯一の被爆国であり、地震が多い日本がなぜ供給量の約三十パーセントもの電力を、かつて広島や長崎の人々の命を奪い今なお苦しめている「原子力」を使ってまかなっているかということ。
運転コストが火力や水力よりかからないから?建設することで自分たちにもメリットがあるから?でも私はまだ納得がいかない。広島や長崎の人々が受け入れるはずがない。そう思っていたとき、新聞である記事を見つけた。
見出しは「『被爆国が原発』の論理」。なぜ原発建設に踏み込んだのか過去の研究者達のインタビューがまとめられていた。最初に目に飛び込んできたのは戦後の原子力研究者の中には原爆を受けた人も多いということ。
意外だった。広島、長崎の人なら、きっと原子力を一段と恨んで使うこと拒んだと思っていたからだ。
記事をまとめると、原子力によって多くの命を奪われた日本は、その力を使って人の命を救ったり、生活するためのエネルギー源にしようと考えた、ということだった。
そして記事には「被爆経験が“あったにもかかわらず”原子力を推進したのではなく、むしろ“あったからこそ”進めたのだ」とかかれている。その言葉が私を納得させた。
この記事を読む前は、日本が原発大国なんてあり得ない、また同じ被害に遭うかもしれないのに、なんで受け入れたんだろう、と思っていた。でも当時の人々がそんな思いを持って原子力を使うことを選択したとは知らなかった。自分達が被害に遭ったのに、そのことをいいことに利用していこうと考えたことがすごい。今までの「核」との関わりはそこから始まったのだと思う。
被爆国だからこそ。だがそうして歩んできた結果、今はその思いに反した状態に陥り、「脱原発」、「核のない社会」と唱えている。原発を全停止するといっても残りの発電所だけではまかなえないと思う。他に何か解決策があるのだろうか?それに被災した人々は?山積みになったがれきは?放射能は?これから先、日本はどうやって復興していくのか?
私達にとって、これからの日本は不安だらけだ。もう原子力に頼れない。未来のために、日本のために、私達にできることは何だろう。
建築家の安藤忠雄さんと指揮者の佐渡裕さんの対談形式のシンポジウムの記事で、基調講演として安藤さんはこう語っていた。
「私たちは社会に関心を持ち、自分の生き方にも関心を持ち、責任ある個人をつくらなければ、これからの社会は生きていけない。」
責任ある個人。確かに自分に責任感があるかというと、あまりないと思う。まずはもっと新聞やニュースを見て、考えを深めていきたい。今回のように、疑問に思っていたことがわかったり、新しい知識が得られると思う。そして、今後の未来のことを、日本のことを、考えて行動していきたい。かつて日本をいい国にしようと考えた人々の思いを胸に。
(朝日新聞 8月3日、6日付)