Jリーグのシーズン到来を告げる富士ゼロックス・スーパーカップは16日、埼玉スタジアムで行われ、昨季J1で2連覇を果たした川崎が天皇杯全日本選手権覇者の浦和を1-0で破り、初優勝した。賞金は川崎が3千万円、浦和が2千万円。
川崎は昨季のリーグ最優秀選手の家長や中村らを軸に攻撃を仕掛け、後半7分に2012年ロンドン五輪得点王で新加入のレアンドロダミアンが先制ゴール。そのまま逃げ切った。
今季のJリーグは22日のC大阪-神戸(ヤンマー)で開幕する。
前座試合ではU-18(18歳以下)Jリーグ選抜と日本高校選抜が1-1で引き分けた。
川崎 1ー0 浦和
(前 0−0|後 1−0)
苦い記憶拭う1勝
前人未到の「4冠」を掲げる川崎にとって、一発勝負を避けては通れない。シーズンを占う格好の舞台で「自分たちがこの試合を取るんだという思いをピッチで表現できた」と中村。最少得点差を感じさせない快勝は、地力を備えた証しだ。
戦前の予想通り、圧倒的にボールを支配しながら、後半7分の先制後は追加点を奪えない。昨季までは、じれて隙を見せてきたが、「結果が全ての試合。勝利に徹する部分を見せられた」と奈良。攻守のバランスを崩すことなく90分間を戦い抜き、被シュートをわずか1本に封じた。
シーズン序盤では出色の運動量も、キャンプで例年よりも早めに体を仕上げてきた成果だ。「今週の練習もハードだったけれど、チームが一つになって動けていた」と小林の表情も明るい。
リーグ連覇の陰に隠れがちだが、カップ戦のタイトルには手が届いていない。YBCルヴァン・カップと天皇杯で準優勝5度の歴史を思い返し、中村は言う。「ずっと、こういう(大一番の)試合を落としてきたと言われてきたから、そこへの思いはあった」。苦い記憶をまた一つ、拭い去った。
ダミアン デビュー弾 空中戦で新たな攻撃
元ブラジル代表、ロンドン五輪得点王の肩書にあぐらをかかない献身ぶりが、“サッカーの女神”をほほ笑ませた。
後半7分、レアンドロダミアンが左クロスをゴール正面で受ける。得点を狙える状況にもフリーの中村に頭でパスを送ると、こぼれ球が再び点取り屋に吸い寄せられた。ワンバウンドの弾み際を左足でたたき「最高の瞬間」を迎えた。