10回戦(横浜スタジアム)
広島
101 000 100|3
000 000 100|1
横浜DeNA
ハマの夜空にこの日も白星が見えない。交流戦から続く重苦しい雰囲気は、再開したリーグ戦でも変わらず、今季ワーストを更新する11連敗を喫した。
主将のいら立ちが今のチーム事情を象徴していた。3点を追う七回無死二塁だった。筒香は初球、真ん中の145キロをセンターに打ち上げると、その瞬間、右手で握っていたバットをたたきつけた。
この回は何とかバルディリスの適時打で1点を返したものの、結局得点はこの1点のみ。広島のエース前田を捉えきれず、散発5安打で完投を許した。
不運もあった。三回1死からシアーホルツの打球は、ボールを見失った筒香の前に落ちてしまう。そこから連打されて2失点目につながった。中畑監督は「負の流れを防ぎきれない」と表情を険しくする。
6月は8試合を残し、月別の負け越しが早くも決まった。交流戦前には最下位と8・5ゲーム差もあったが、この日の負けで2差に縮まり、3位阪神とはゲーム差がなくなった。それでも、ベンチが静まり、声が出なくなることはないという。
4打数無安打に終わった若き4番は試合後、力を込めた。「どんな展開でも、諦めなければ扉は開いてくる。こういうのを乗り越えないと上にはいけない」。試合中に降っていた雨はいつの間にか上がっていた。やまない雨はない。
「マエケン(前田)に対して真っ向勝負したが、いい試合じゃ駄目。とにかくうちは勝たないと。何を言っても言い訳になる」
またも暴投絡み失点
井納は8回3失点で5敗目。11安打を浴びながら大崩れしなかったが「粘れば良いというわけではない。今のチーム状況から言ったらゲームをつくるのは最低限」と三者凡退は四回のみという内容を反省した。
失点はいずれもボールが高めに浮く制球ミスから。七回1死一塁では暴投で二進を許し、ここまで3安打と当たっていたシアーホルツにタイムリーを浴びた。
「暴投はあそこに投げるしかなかった。その後の球も、もう少し低ければ」と井納。これでチームの暴投数は42に上り、中畑監督は「技術が追い付いていないのかな。みんながカバーしていくしかない」とうなだれた。 (横浜)
バルディリス(七回に右前打で唯一の得点をたたき出し) 打ったのは内角高めのシュート。ボールにうまく反応できた。とにかく1点が欲しかったのでタイムリーになって良かった。