今から3年前の秋、街はプロ野球・横浜DeNAベイスターズの19年ぶりの日本シリーズ進出に沸いていた。当時横浜市政担当として詰めていた市役所の記者クラブに、隣の横浜スタジアムから届く声援の大きさをよく覚えている。
翌2018年にベイスターズ担当となり、熱狂の真ん中に身を置いてから3年間、あのとき以上の興奮がきっと訪れるであろうと胸を焦がした。大きく言えば追うテーマは一つのみ、強打で鳴らした元スラッガーがどうチームをまとめていくか。達成感に満ち、胴上げされる指揮官の姿をずっと夢見ていた。
11月14日、今季最終戦の後に退任セレモニーが本拠地であった。スタンドのファンからは万雷の拍手が降り注ぎ、コロナ禍で大声での応援が禁じられている球場に時折、「ありがとう」の声が響いた。
ただ、そこに待ち望んだ光景はなかった。去り際にトレードマークの笑顔を見せ、アレックス・ラミレス監督は5年間振ってきたタクトを置いた。
「データと直感」自負
さよなら、ラミレス監督 番記者は胴上げを見たかった
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今季最終戦のセレモニーであいさつする横浜DeNAベイスターズのラミレス前監督=11月14日、横浜スタジアム [写真番号:458612]