大好きな野球を通じて地元の子どもたちや地域を輝かせようと、若き指導者が奮闘している。4月に中学生の軟式クラブチーム「川崎宮前ドリームス」を立ち上げた石倉周監督(28)。「日本一を目指す中で出会った仲間や、真剣に過ごした時間は人生の宝物になる」との思いで指導に情熱を注いでいる。
「しっかりノーエラーでいこう。OK?」。11月下旬、川崎市宮前区の野球グラウンドに威勢のいい声が響く。体験練習会の参加者を含む7人が白球を追い、石倉監督の中学時代のチームメートらがボランティアでコーチを務めた。一人一人へのきめ細かな指導も売りの一つだ。
兄の影響で小学1年生からバットを握り、中学時代は松井裕樹(楽天)や楠本泰史(横浜DeNA)らを輩出した青葉緑東シニアでプレー。2度の全国制覇を遂げた。鎌倉学園高では甲子園出場を果たせなかったが、日体大在学中には横浜緑ボーイズの創設に携わり、子どもを指導する楽しさに触れた。