生活を科学的に探究
生活の中から課題を見つけ、解決法を考え実践
「電気のつけっ放しで親に怒られたな」「エアコンに関するテーマが多いね」
県立光陵高校1学年の「家庭基礎」の授業「ホームプロジェクト発表」での生徒の会話である。この授業の目標は、家庭や地域の生活の課題を見つけ、その解決方法を考え、実践することにより、生活を科学的に探究する方法を身に付けることだ。
生徒は、それぞれが見いだした課題を共有し、類似する課題の者同士のグループに分かれて意見を出し合う。例えば、節電対策を扱ったグループでは、「家族ができるだけリビングに集まる」「冷蔵庫の開いている時間を短くする」「食材を無駄にしない」など自分の実践内容を報告し合い、それに対して意見交換を行い、最後は、グループの代表者が探究した内容を発表して全体で共有した。他者との学び合いをさまざまな形で深めることで、生徒一人一人の学びの質が高まる。
質の高い学びを創出するため、授業では、生徒に対し、多面的な見方で深く考える必要がある課題が与えられる。
別の授業では、視覚障がいのある友人を想定し、緊急地震速報が流れる中で安全に避難させる体験を行った。車いす体験も同時に行い、住環境における問題点も考えた。
アイマスクをして校内を歩く体験をしている生徒に「もうすぐ段差があります」と優しく声を掛ける。アイマスクをしている生徒は、「進むのが速くて怖いよ」と言いながら補助者の腕にしがみつく。「どのくらいの段差なのか」「的確な言葉で声を掛けよう」「車いすで段差を越える時にどうすると安全なのか」「どのくらいの段差があると自力では上がりにくいのか」生徒はさまざまな想定をしながら、好奇心旺盛に授業に臨んでいた。
授業の終了時には、毎回、授業の振り返りのために、80字で自己評価をする。自己や家族、地域や社会へ生徒の視野は広がっていく。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート
神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f420082/