共に創り探り究める
1人1台タブレットで対話し協働で学ぶ
平塚江南高校では、探究的な学びを行う授業「共創探究基礎」を1年生で行っている。
「出された問題を解くだけではなくなった」「授業でチャット機能を用いて話し合いを重ねた」。1人1台のタブレットを活用し、オンライン上の対話により、コロナ禍においても協働学習を続けている。例えば、「思考の収束と発散」という単元は、探究活動の基礎となる集団での合意形成スキルを身に付けることを目標としている。
「教室の環境整備なんて考えたことがなかったな」「まず掃除の参加人数について考えよう」「さまざまな課題をどう視覚化していけばいいんだろう」。生徒たちは一見静かに見えるが、実はタブレット上でこのような対話を繰り広げている。「クラスの掃除問題」など実際にありそうなテーマを扱い、学級委員や環境美化委員、生徒、教員など、割り振られた役割で話し合いを進める。そこに決まった答えはなく、他者と協働していろいろな考えを創り出すのだ。
話し合いでは、割り振られた「役」としての意見を出し合い、それを基に「課題」を出し、解決策を検討する。さまざまな課題をツリー状に分解し、体系的に比較できる「ロジックツリー」という思考ツールを用いてより詳しい原因を考えていく。ポイントは、メンバー全員が「ファシリテーター」という進行役を経験することだ。活発な意見交換を促したり、確実な合意形成を行うための役割を担う。生徒は演習を重ねるたびにファシリテーターとしてのスキルを身に付けていく。
ある生徒は「課題の本質に迫るためには多面的に物事を見つめなければならないということをこの授業を通して実感できた」と振り返る。2年生の「共創探究Ⅰ」では、もう一段ステップを上り、最終的には、多様な他者と協働して新たな価値を創出する科学的探究者を目指す。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート 神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。 http://www.pref.kanagawa.jp/docs/v3p/seitosidou/hanii.html
県立平塚江南高校 (平塚市諏訪町)
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生徒はオンライン上で対話する [写真番号:614408]
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プレゼン課題は動画で提出する [写真番号:614409]