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教室に行こう
相模原市立青和学園(相模原市緑区)

教育 | 神奈川新聞 | 2021年3月1日(月) 15:00

枠超えた学びを実践
一つの「青」でつながる義務教育学校

大型テレビを使い「平家物語」の作品紹介をする8年生

 「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり…」。11月半ばのある日、5年生の教室での一幕だ。教室後方から見守るのは8年生の先輩たち。

 相模原市で初の義務教育学校として2020(令和2)年4月に開校した青和学園。青根・青野原の両地域にあった小・中学校が、この新たな学びやとして誕生した。両地名の「青」から、校歌のタイトルは「一つの『青』」に決まった。

 この学校では、1年生から9年生が、両地域の豊かな自然環境の中で、学年の枠を超えた学びを展開している。

 冒頭文の音読の後は、8年生が『平家物語』の作品について説明をする。続いて、「扇の的」の場面を音読。異学年ペアを組み、8年生がリードする。

 「難しそう…」と5年生。「大丈夫だよ。読んでみるから、まねしてみてね」と8年生。さらに、自作の絵コンテを大型テレビに映しながら、先輩が場面の意味を優しく解説する。「へえ、なるほど」。うなずきながら聞く5年生が笑顔になる。

気に入った箇所の音読に挑む5年生

 最後は、5年生が一番気に入った場面を選び、音読発表する。「どこが気に入った?」「う~ん、ここのところ」「似たリズムが繰り返されていて面白いね。対句っていうんだよ。よし、練習してみよう」。8年生に励まされながら、発表する場面の練習に果敢に挑む。

 上級生が、下級生に説明したり助言したりするためには、学習内容を十分理解することが必要だ。伝え方にも工夫を凝らす。下級生は、先輩への憧れや一緒に学ぶ誇らしさを感じながら、学習意欲を高めていく。

 こうした学びを、年間を通して実践する中で、「子どもたちの主体的な学びの姿勢が育っている」と授業者は語る。

 地域や学年を超えて、教職員にとっては校種を超えて、新たな学びの形が意欲的に模索されている。その姿は、『一つの「青」』に象徴されている。

さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート 神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。 http://www.pref.kanagawa.jp/docs/v3p/seitosidou/hanii.html

 
 

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