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時代の正体 教科書はいま(3)
韓国人が見る育鵬社版 後輩たちの将来危惧

時代の正体 | 神奈川新聞 | 2020年7月30日(木) 09:41

 横浜市立中学校で2021年度から使用する教科書が8月4日、採択される。とりわけ注目されるのが歴史と公民の教科書だ。市教育委員会は09年から、戦後の歴史教育を「自虐史観」と批判する「新しい歴史教科書をつくる会」の流れをくむ出版社(自由社、育鵬社)の教科書を採択し続けている。かつて市立中で学んだ韓国籍の男性は戦争加害を正当化する教科書を使う後輩たちの将来を危惧し、市民団体は全国でも多くの自治体が見送る教科書の採択を阻止するため、「今度こそ、子どもたちに『普通の教科書を』」と声を上げる。


中学時代を横浜で過ごした李建主さん(本人提供)
中学時代を横浜で過ごした李建主さん(本人提供)

教科書採択会議、傍聴席数は「市教委の考え」 横浜市長

 父親の仕事の都合で来日し、市立中に通った、今は韓国に住む会社員李建主(イゴンジュ)さん(33)には、忘れられない場面がある。

 2年生だった。韓国併合や第2次世界大戦について勉強していた時だった、と思う。記憶が少し曖昧なのは、まだ日本語がよく理解できなかったからだ。

 それでも、年配だった社会科の女性教諭が授業の終盤、自分に語り掛けた一言を鮮明に覚えている。

 「李君の国を傷つけて、ごめんね」

 
 

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