住み慣れた地で共生を 包括ケア実践|カナロコ|神奈川新聞ニュース

医療・健康

住み慣れた地で共生を 包括ケア実践
訪問看護10年、放課後デイにも参入

  • 公開:2019/01/18 09:30 更新:2019/01/18 15:39
  • 神奈川新聞

 訪問看護の制度化が進んだ1990年代から携わり横浜市訪問看護連絡協議会(現横浜在宅看護協議会)会長などを務めた青木悠紀子さんが株式会社「悠の木」を立ち上げ、同市磯子区に訪問看護ステーションを開設して10年余り。この間、居宅介護支援事業に参入したほか、新たな取り組みとして、同区初の療養通所介護と、重症心身障害児を対象とした児童発達支援・放課後等デイサービスを開始した。高齢者や障害者が住み慣れた地域で安心して生活するためには何が必要か。模索の中で「地域包括ケア」の実践に努めている。
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 2017年12月に開所した「悠YOU療養通所」。利用者の楽しみは、職員とのコミュニケーションだ。難病を発症し起き上がることのできない男性の趣味はマージャン。ベッドの上に卓を置き、他の通所者や職員と対戦することもある。手足が不自由なため、男性の指示で看護師らがパイを切る。

 「難病や末期がん、認知症などで重度の介護、医療が必要な人が当たり前の日常生活により近づけるよう医療や介護をはじめ多職種によるチームが利用者に寄り添っている」と青木さんは話す。

 重症の利用者にとって自宅の外へ出て施設に通うことが社会参加。利用者が自ら自律した生活の答えを出せる環境をつくる。介護者のレスパイト(介護休暇)が図られる。青木さんが描く療養通所介護の理念だ。

 療養通所に続き、青木さんは昨年3月、障害者を対象とした計画相談事業、18歳未満の重症心身障害児を対象にした児童福祉法に基づく児童発達支援・放課後等デイサービスにも参画。8月には「悠YOUこどもデイ」を開所した。

 青木さんは横浜赤十字病院、横浜市中保健所(当時)を経て1996年、磯子区医師会を母体とする同区医療センター訪問看護ステーションの管理者に開設準備段階から就任。2001年には同医師会居宅支援センターを立ち上げ、介護支援専門員、管理者を兼務した。その経歴は、訪問看護、介護に対するニーズの高まりと重なり合う。

 患者と向き合う中で、自律した生活を支えるためには医師や看護師ばかりでなく、介護士、ケアマネージャー、理学・作業療法士など多職種の連携が必要との思いを深めていった。そして、自らの経験を生かし理念を具体化しようと、08年に同社を設立した。

 現在、33人のスタッフを抱え、磯子区全域のほか、南区と中区の一部にもエリアを広げ事業展開している。手厚く丁寧なケアの実践と事業を継続するための基盤強化。二つの命題に相対しながら、設立10年を経て、青木さんは「地域住民のためのケア」という視点に立ち、健康に関わる「よろず相談所」の展開へと将来像を描いている。

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