光と影、ありのままの姿 【ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー~】|カナロコ|神奈川新聞ニュース

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光と影、ありのままの姿 【ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー~】

  • 公開:2019/01/11 15:58 更新:2019/01/11 16:32
  • 神奈川新聞

 打ちのめされた。米ポップの歌姫の素顔を赤裸々に映し出した野心作だ。
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 米アカデミー賞受賞監督が手掛け、ホイットニー・ヒューストン財団が初めて公認したドキュメンタリー。初公開となるホームビデオ映像や重要なアーカイブ映像、未発表音源とともに、家族や友人、仕事仲間の証言を交えて、ホイットニーの栄光と転落をフェアな視点で浮き彫りにした。「妹の人生の大部分は薬にまみれていた」などと耳を疑うような兄の告白をはじめ、幼少期に性的虐待を受けていた事実も明かされる。

 1980年代から90年代の全盛期、圧倒的な歌唱力で国境や世代、人種を超えて絶大な支持を得た。歌手だった母に厳しく指導され、11歳で聖歌隊に入隊。モデル業にクラブ出演、85年のアルバムデビューからは最前線を走り続けた。しかし92年、R&B歌手ボビー・ブラウンとの結婚と主演映画「ボディーガード」の大ヒットを境に、薬物問題や複雑な家庭環境ばかりが取り沙汰されるようになる。そして2012年、48歳という若さで不慮の死を遂げてしまう。

 名声をねたみ暴力を振るう夫、金づるにする身内…。彼女が心底求めていたのは「理想の家族」と「愛」だった。笑顔の奥で深い悲しみに耐えつつ、そのもがきと叫びが、聴く者の魂を揺さぶる歌に昇華されていたのだと気付かされ、心が震えた。

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