厚木の新たなランドマークへ 本厚木駅南口再開発プロジェクトを語る(前編)|カナロコ|神奈川新聞ニュース

厚木市

厚木の新たなランドマークへ 本厚木駅南口再開発プロジェクトを語る(前編)

  • 公開:2018/09/14 02:00 更新:2018/10/03 15:36
  • 神奈川新聞
  神奈川県の中央に位置し、大山や相模川など豊かな自然に恵まれ、江戸時代から交通の要衝としても大きな役割を担う厚木市。新東名高速道路の整備などにより、厚木市が担う首都圏への流通・業務機能はますます高くなると期待が寄せられている。
続きを読む

 本厚木駅は、周辺に商業施設やオフィスビル、文化施設などが立ち並び、1日に15万人もの人々が行き交う厚木市の中心市街地である。しかし、北口と比較して南口は歩行者・バス・タクシー・一般車両の動線が錯綜(さくそう)しており、駅前の好立地にもかかわらず、土地の高度利用が図られていない課題を抱えていた。長年の懸案事項であった南口の再開発事業が今年3月工事に着手され、本厚木駅は厚木の新たな玄関口として大きな変貌を遂げようとしている。

 再開発事業に対しての基本的な考えや今後期待される経済的効果について、厚木市の小林常良市長、本厚木駅南口地区市街地再開発組合の柳田光太郎理事長、厚木商工会議所の中村幹夫会頭、三菱地所レジデンスの脇英美社長にそれぞれの思いを語っていただいた。*文中敬称略
〈コーディネーター〉 中村 卓司(神奈川新聞社常務取締役)

コンパクトで持続可能なまちづくりに向けて


 ―市民の暮らしを充実させる立場から、本厚木駅の役割、再開発についてお聞かせください。

 小林 本厚木駅は、1日に約15万人もの人々が行き交うまちのにぎわいの中心であり、22万5千の市民にとって、なくてはならない交通の結節点です。中心市街地の再整備、インターチェンジをはじめとした交通機能を生かした産業拠点の創出を積極的に進めていることからも、駅利用者はますます増加していくと見込んでいます。

 しかし、厚木市人口ビジョン(2016年3月)の推計によれば、本市もさらなる人口減少、少子高齢化の進行が見込まれています。将来にわたり日常生活に必要なサービス水準を確保し、健康で安心かつ快適に暮らすことができるコンパクトで持続可能なまちづくりが急務と考え、「厚木市立地適正化計画」の策定に取り組むこととしました。その中の計画の一つが本厚木駅南口開発です。

 実は、本厚木駅南口は、好立地にもかかわらず土地の高度利用が図られていませんでした。駅前広場についても歩行者動線の交錯やバス、タクシー、一般車の錯綜(さくそう)が顕著で、1996年から再開発の検討はされていたのですが、さまざまな理由で一時中断を余儀なくされた経緯があります。その後、数々の手続きを経て2005年より本事業が再スタート。今まさに快適で住みよいまちの象徴として生まれ変わろうとしています。

 ―本厚木駅南口再開発着工に至る過程は大変だったそうで、実現まで多くのご苦労があったと思います。

 柳田 小林市長のお話にもあったように、本格的な再始動は2005年でした。民間の権利者によって市街地再開発準備組合が発足し、長年の懸案だった南口再開発が動き出しました。

 しかし、ようやくと思った矢先に事業区域の見直しや資材高騰、さらにはリーマンショックによる景気の停滞などの影響を受け、事業化は一時中断となりました。その後、住宅需要の回復などから14年に修正計画案を準備組合が合意、15年には市の都市計画決定を受け、16年「本厚木駅南口地区市街地再開発組合」が設立されました。

 私は理事長を拝命しましたが、本当にここまで長かったという思いです。昨年夏より既存建造物の解体工事に着手し、現在は、20年度の完成に向けて順調に再開発事業が進められています。


高いポテンシャルを持つまち「本厚木駅南口」



 ―厚木市の経済的発展の経緯と今後の可能性についてお聞かせください。

 中村 歴史的な歩みを振り返ると、厚木市は1955年に市制を施行。それまでの商業活動の継続推進を図りながら60年にはいち早く「工場誘致条例」を制定し、大企業と中小企業が多く集積する商工業のまちとして発展してきました。

 その背景として、64年に国道246号が全線開通(東京~沼津)、68~69年にかけては、東名高速道路の東京~厚木の区間の開通、小田原厚木道路、東名高速道路の全線開通、そして国道129号厚木バイパスの開通といった道路インフラが集中的に整備され、広域的な流通環境が出来上がりました。これにより厚木の名が高まるとともに、商工業のまちとしての確固たる基盤が形成されました。

 一方、通勤・通学の足を支える小田急線は、76年に本厚木駅立体交差化事業が完了。同年に本厚木駅の新駅舎も完成。翌年には本厚木駅北口広場がオープンし、新しい商業街区が形成されました。また82年には駅ビルも完成して現在の本厚木駅の姿となり、通勤・通学の利便性を高めるとともに、中心商業地としての大きな役割を果たしてきました。

 厚木市には現在、約9900の事業所があり、従業員数も15万人を超え、さらに増加傾向にあります。放射状に広がる厚木の地形や今後の交通環境を考えると、特に本厚木駅は企業人の足を支える日々の大切な出発点であり帰着点でもあるので、その重要性が増してくるものと考えています。

 ―本厚木駅南口再開発事業に参画した経緯や狙いなどお聞かせください。

  10年ほど前に、当時厚木市内にあったホテルで勤務していた経験もあり、厚木市はゆかりのある土地、なじみのあるまちです。当時から、厚木は非常に高いポテンシャルを持った場所であると感じていました。

 その理由の一つは、交通の要衝であることです。江戸時代、大山街道の宿場町であり、相模川の水運も盛んで多くの人や物が集まったことなどから要衝としての役割を果たしてきました。現在も国道246号線など多くの幹線道路が市内を通り、東名と圏央道が結節する地点でもあり、首都圏の物流の重要な拠点となっています。新東名の整備が進む中、物流施設の移設や誘致なども積極的に行われていますので、今後さらに多くの経済効果が見込まれるでしょう。

 二つめは昼間人口の高さです。グローバル企業や大手優良企業が集積し、かつ大学キャンパスも多数存在するため昼間人口が他市と比較して多く、昼夜間人口比率が115.6%と全国でもトップクラスです。

 三つめは、住環境の良さです。商業施設に加え、相模川を幹とする河川や緑に恵まれ、少し内陸に行くと七沢、飯山などの温泉もあります。日常生活もレジャーもそろった非常に住みやすいまちといえるでしょう。この非常に高いポテンシャルを持つまちの駅前1分の地に、ランドマークとなる施設、厚木のまち全体を変える優れた住まいを提供したいという思いで、本事業に参画させていただきました。

 本厚木駅南口再開発プロジェクトについてはこちらから

▶後編はこちら

COMMENTSコメント

PR