洪水、逃げ遅れゼロへ 頻発する豪雨被害の教訓生かす 中小河川の氾濫対策加速|カナロコ|神奈川新聞ニュース

減災

洪水、逃げ遅れゼロへ 頻発する豪雨被害の教訓生かす 中小河川の氾濫対策加速

  • 公開:2018/07/05 02:00 更新:2018/07/05 02:00
  • 神奈川新聞

 身近な中小河川の氾濫を想定した避難対策の強化が県内でも加速している。河川管理者の県が、避難勧告などを発令する地元市町村の幹部らに危険水位の情報を直接知らせる「ホットライン」を構築。コストの低い小型水位計の設置にも乗り出し、市町村や住民が水位変化の状況を把握できる地点を増やす。豪雨時に増水しやすい中小河川の危険性に着目した試みで、目標とする「洪水時の逃げ遅れゼロ」につなげる狙いだ。
続きを読む

 関連死を含め40人が死亡した九州北部の豪雨から、5日で1年。同豪雨では山間部を流れる中小河川の流域で被害が大きく、水位計の不足などが課題として浮上した。岩手県内を流れる2級河川が氾濫した2016年8月の台風10号でも、川沿いの高齢者施設で多数の入所者が亡くなる被害が出ており、温暖化を背景とした激しい雨の増加で中小河川の安全対策が急務となっている。

 神奈川県が対策の強化を急いでいるのは、水防法に基づき「水位周知河川」に指定されている帷子川や大岡川、境川、引地川、金目川、早川など83河川。

 対象の河川がない三浦市と真鶴町を除いた県内31市町村、東京都町田市との間でホットラインを構築し、それぞれの防災部局の幹部らの携帯電話に氾濫危険水位に達した場合の情報を直接知らせるようにした。ただ、川幅が狭く水位上昇のスピードが速い上、警戒すべき河川が複数となる市町村も多いことから、「台風シーズンの前にも、水位に連動したメールを自動配信する態勢も整える」(県河川課)方針だ。

 小型水位計は20年度までに、県内40河川の計約60カ所に設置予定。本年度は10カ所に取り付けることにしており、完了後は専用ウェブサイトでリアルタイムの水位を確認できるようになる。

 国土交通省によると、自治体による小型水位計の整備は全国的に進められ、約5千河川の計約5800カ所に設置される見込み。今年6月末時点で既に、福岡、大分、岐阜、愛知各県の計58河川に設けられ、順次運用がスタートしている。

 国が管理する全国109の1級水系も整備対象になっており、神奈川県内では多摩川、鶴見川、相模川水系の堤防の低い地点などを中心として約80カ所に取り付けられる。

 国交省河川情報企画室は「小型水位計の観測情報を自治体や住民の迅速な避難判断に役立ててもらえるようにしたい。台風などの接近時は気象の見通しと併せて河川の水位を確認する習慣が定着するよう、情報を充実させていきたい」と活用を呼び掛けている。

 このほか、市町村が台風接近時などに取るべき対応を時系列で定める防災行動計画「タイムライン」の中小河川版を策定する動きも広がっている。国交省の集計では、これまでに神奈川を含む30都府県の429市町村が整備したという。

COMMENTSコメント

PR