人形衣装伝える意匠 「古代裂」製造、横浜の女性2人が継承|カナロコ|神奈川新聞ニュース

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人形衣装伝える意匠 「古代裂」製造、横浜の女性2人が継承

  • 公開:2018/03/27 11:48 更新:2018/03/27 12:18
  • 神奈川新聞

 横浜市内の70代女性2人でつくる人形作家団体「至巧会」が、古代裂(ぎれ)を衣装にまとった日本人形の製作と販売に注力している。師匠で人形作家の星ていこ(本名・久子)さん(98)は高齢のため3年前に引退。会は事実上解散したが、伝統を継承し人形の魅力を広く伝えようと、弟子2人で再結成した。ホームページ(HP)での作品紹介やオンライン販売も開始。「多くの人に見て、触れてもらいたい」と話している。
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 ていこさんは、古い時代の染織品の端布「古代裂」に魅了され、1950年頃から本格的に人形製作を開始。日本画家・伊東深水氏の命名で56年、同会を設立した。

 衣装には、古代裂の中でも江戸時代末期までに作られた物を使用。長い歳月を経てもなお色鮮やかで独特の風合いが魅力だが、今では数も少なく、入手困難という。伝統的な技法を用いながらも節句、文楽、童話など、作り手が自由に題材を決めて製作するスタイルで、多い時で50人ほどの弟子がいた。58年から毎年、三越日本橋店で作品展を開催してきたが、2015年1月、95歳での作品展を最後に引退した。

 ていこさんが手掛けた一点物の人形や材料の数々…。「このまま眠らせておくのは忍びない」。再結成に向け、長男・欣延さん(78)の妻・澄子さん(72)と、弟子の関根節子さん(74)が奮起した。師匠の下で人形を学び始めて40年以上。会が築いた伝統や作風を絶やしてはならないとの思いが、2人を突き動かした。

 欣延さんの知り合いで、ウェブ制作などを手掛ける「ハズトリー」(横浜市港北区)の諏訪大介代表取締役(37)に、会のHP制作を依頼。昨秋からていこさん、澄子さん、関根さんの3人の作品を紹介するとともに、ネットでの販売も行っている。

 「いずれは展覧会を開きたい」と意気込む澄子さんと関根さん。諏訪さんは「古代裂は日本の歴史や風土を体験してきたものであり、衣装の一つ一つが日本の伝統を物語っている。今後は、海外の人たちにもその魅力を発信していきたい」と話している。

 問い合わせは、至巧会電話045(531)1666。HP(http://shikoukai.net/)で、メールマガジンの登録も受け付け中。

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