パート主婦から「西陣織」の異端児に…斬新な作品見せる“用の美”|カナロコ|神奈川新聞ニュース

暮らし話題

パート主婦から「西陣織」の異端児に…斬新な作品見せる“用の美”
女性自身

  • 公開:2018/02/16 09:57 更新:2018/02/16 12:34
  • 神奈川新聞

 現在、女性の伝統工芸士は全国に614人。女性蔑視が当たり前だった職人の世界で戦う彼女たちは、女性目線の新たな感性で優れた作品を生み出し続ける。そんな男社会だった“伝統”に風穴を開ける、京都で活躍する女性伝統工芸士を紹介。きらめく用の美はまさに匠の業だ。
続きを読む

【西陣織】小玉紫泉


 「誰にもお譲りしたくないな、と思うほど、すべての作品、丹精込めて織っています」

 日本の伝統織物の最高峰とされる西陣織。小玉さんはそのなかでも、ひときわ高度な技術を要する「爪掻本つづれ織り」の伝統工芸士だ。

 必要な部分だけさまざまな色の緯糸を織り込み模様を描く。その際、ギザギザに削った手の爪で、丹念に緯糸をかき寄せることから「爪掻き」の名がついた。小玉さんがこの技巧と出合ったのは、意外に遅く28歳。しかも最初は主婦のパートとしてだった。

 「そのパート先も、わずか1年半で家の事情で退職しまして。無謀にも独立するんですが、そこからほぼ独学で、つづれ織りの技法でできることをひたすら追求していったんです」

 結果、生まれたのが緯糸を三つ編みして、さらに織り込んだ実用新案登録した帯や、あえて緯糸を織り込まずに背後の絵柄が透けて見える帯など。長い歴史を誇る西陣でも、これまで誰ひとり織ったことがない斬新な作品たちだった。

 批判の声もあった。業界を長年取り仕切る男性たちは、女性の小玉さんが生み出す型破りな作品が鼻持ちならない。「アイデアだけ」「緯糸を織らないのは手抜き」と、難癖をつけられたのも1度や2度ではない。それでも、彼女のユニークな作品は賞を総なめにし、新聞に幾度も取り上げられ、ファンは全国に増え続けた。「西陣の異端児」を自認する小玉さんは、伝統と格式の世界に、新風を吹き込み続ける。

 「つづれ織りの無限の可能性を多くの人に知っていただきたい。そう考えながら、私は機を織り続けています」【女性自身】

【小玉紫泉/こだましせん】
1952年、大阪生まれ。1980年、京都移住後、つづれ織り会社に勤務。1982年、独立。革新的技法で多くのコンテストでグランプリを獲得。1996年に伝統工芸士に認定。2010年にはパリで着物ショーを開催。

「カナロコ」は、読者に幅広いコンテンツを提供するため女性週刊誌「女性自身」との提携を開始しました。女性誌の視点からみた政治や経済。関心が高い教育、そしてグルメ、芸能まで多岐にわたり情報を配信していきます。


【関連記事】
「1カ月20万円稼ぎました」主婦が語る内職の裏事情
【写真】百恵さん 結婚38年でも夫婦円満の秘訣「息子独立で新ルール」
西陣織伝統工芸士、パリでのショー実現させた“亡夫との約束”
家事をおろそかにしないでOK…主婦のための“儲かる副業”
50歳東大主婦が卒業、進路決意の陰にあった「毒母」の存在

COMMENTSコメント

※このコメント機能は Facebook Ireland Limited によって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社神奈川新聞社は一切の責任を負いません。

PR