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「ふく」君、聴導犬のPR役に 福島生まれ

  • 公開:2017/12/30 02:00 更新:2018/11/28 15:09
  • 神奈川新聞

 東京電力福島第1原発事故で全町避難した福島県大熊町で保護され、鎌倉市内の育成施設で聴導犬となった雄の「ふく」が、PR役として新たなスタートを切った。人懐こい性格を生かし、イベントや出前授業に出向いて聴導犬の存在をアピールする。
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 玄関ベルや料理タイマーが鳴ると、前足でタッチ。目覚まし時計なら、寝ているユーザーに飛び乗って起こす。

 NPO法人「聴導犬育成の会」の松田治子代表(69)が音を鳴らすと、ふくは尻尾を振りながら音を聞き分け、ユーザーを誘導するデモンストレーションを見せた。「人懐こくて、いろんなことに興味を持っている」と松田さんはその適性に目を細める。

 ふくは東日本大震災後の2011年秋ごろに生まれ、両親と4匹のきょうだいと一緒に寒川町の動物保護団体に保護されたという。飼い主も、どこで生まれたのかも分からなかった。松田さんが音の出るおもちゃを鳴らすと、「しつこいくらいに『何の音だろう』って寄ってきた」。素質を見込んですぐ連れ帰った。

 最初は「待て」や「伏せ」など基本的なしつけから。次第に聴導犬の訓練に入り、音が鳴ったらタッチして知らせる動作や、外出時はユーザーに沿って歩き、後ろから車や自転車が近づくと知らせることを覚えた。人間の手話も少し分かるようになった。

 17年3月に聴導犬の認定試験に合格。その後実働犬として働き始めたが、ユーザー側の都合などもあり、10月に会に戻ってきた。

 「たくさんの人と触れ合うのが大好きだから適任かも」。ふくの性格を知り尽くした松田さんは、イベントや出前授業で実演するPR役を任せることを決めた。盲導犬や介助犬に比べ、まだまだ認知度が低い聴導犬の仕事を伝える大事な役回りだ。「ふくを通して、聴導犬は人が好きなんだと知ってもらいたい」と松田さんは期待を寄せている。

 同会は訓練犬の引き取り手や、活動資金の寄付を受け付けている。問い合わせは同会電話0467(32)4042。

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