社会

〈時代の正体〉反論機会認めず結審-海老名、フラッシュモブ訴訟

  • 公開:2016/12/13 02:00 更新:2016/12/16 18:55
  • 神奈川新聞

【時代の正体取材班=石橋 学】海老名駅の自由通路で市民団体が行った「マネキンフラッシュモブ」と呼ばれる表現活動に対し、海老名市が発令した禁止命令は表現の自由を不当に侵害し憲法に違反するとして、市民団体のメンバーが命令の取り消しなどを求めた行政訴訟の第3回口頭弁論が12日、横浜地裁(大久保正道裁判長)であり、結審した。判決は来年3月8日に言い渡される。
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 同市が準備書面を初めて提出し、集会やデモを禁止している条例の目的について「快適な往来」のためと主張。原告側は反論の機会を求めたが、大久保裁判長は「提出された証拠で判断できる。必要性はない」とし、審理を終えた。

 過去2回の弁論では原告側が意見陳述を行い、「表現の自由を締めつける命令は憲法違反」「デモの絶対禁止は道交法や県公安委員会規則を逸脱しており、違法で無効」などと主張していた。

「表現の自由 理解欠落」 開廷2分審理終了


 開廷2分足らず、「弁論を終結する」と大久保正道裁判長が告げると、傍聴席からどよめきとともに「弁論を聞かないのか」と憤りの声が上がった。

 「被告である海老名市の法律上の主張は今回初めてなされた。双方の主張を尽くさせるのが裁判所の役目なのに、反論させず審理を終えるというのは異常」。原告側弁護団長の大川隆司弁護士はそう指弾した。

 市が禁止を命じたのはマネキンに扮(ふん)し、プラカードを手に政治的主張を訴えるパフォーマンス。市はこれを「デモ」とみなし、市条例を適用した。市は11月30日提出の準備書面で条例の規制目的を「快適な往来」のためと説明したが、大川弁護士は「『快適』という漠然とした基準で表現規制をすれば、憲法違反という反論が当然出てくる。政治的主張の場合、反対意見の人には不快に感じられ、だからやめさせるということになれば言論の自由は成り立たない」と指摘する。

 そうした主張の機会が与えられないまま審理は打ち切られた。大川弁護士は「中立公平でないだけでなく、表現の自由を制限する法令は慎重であるべきという理解が欠落しているということを示している」と裁判所の姿勢を厳しく批判した。

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