文化

野毛・武蔵屋、今月末で閉店へ 流儀守り続け69年

  • 公開:2015/07/22 03:00 更新:2017/04/19 11:37
  • 神奈川新聞


 銀蔵さんが83年に他界してからは、喜久代さんと妹の富久子さんが店を仕切った。数年前に富久子さんが体調を崩して引退。現在は学生アルバイト数人が喜久代さんを手伝っている。

 90歳になったころから、喜久代さんは「仕込みや店の切り盛りが、きつくなった」という。入院もあり、営業日が徐々に減って今は木曜と金曜だけ。「これまでも、何度かやめようと思いました。でも、お店をかわいがってくださるお客さまのことを考えると、なかなか踏ん切りがつかなくて」と喜久代さん。「父が始めた店を何とか守ってきた自分へのごほうびで、今は休息を取りたい」

 今月31日が“武蔵屋最後の日”になる。

●大きな個性が消える 脚本家・内館牧子さんの話
 「三菱重工横浜造船所に勤めながら、脚本家の養成校に通っていたころ、友人に連れて行かれたのが最初です。銀蔵さんのお酒のつぎ方に見ほれてしまいました。仕事も結婚の夢もない私の暗黒時代でしたが、武蔵屋にどれだけ癒やされたことか。大きな個性が横浜から消える気がします。武蔵屋のようなお店は、もう現れないでしょう。私は絶対に忘れません」

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