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高齢者の暮らしに安心と自立を
バリアフリー賃貸住宅「高優賃」とは

PR | 神奈川新聞 | 2021年3月1日(月) 00:00

 開港から160年以上の歴史を誇る横浜市は2020年、人口に占める65歳以上の割合が24.6%に達した。人口370万人余を有する巨大都市にも、高齢化の波が着実に押し寄せている。横浜のまちづくりを半世紀以上にわたって支える横浜市住宅公社は、住宅が不足していた高度経済成長期には団地の整備、その後は駅前再開発や人口減少地域の活性化など、都市の発展や社会課題の変化に応じた役割を果たしてきた。

 そして賃貸住宅の領域でも、時代に合わせたサービスを横浜市とともに展開。特にバリアフリー対応や緊急通報システムを施すなど高齢者に優しい「横浜市高齢者向け地域優良賃貸住宅(高優賃)」事業では、行政や不動産オーナーと連携して取り組みをサポートする「扇の要」役を演じている。多くのシニアたちの暮らしの基盤となっている高優賃住宅の現場をリポートする。

ここに引っ越してよかった

 「ここに引っ越してきて正解でした。満足しています」。横浜市緑区にある高優賃マンションに住む和子さん(84)=仮名=は、明るい声で話す。

高優賃マンションでの暮らしについて語る和子さん

 1DKのこの部屋に住み始めたのは2009年。40代で夫を亡くした後、市内に住む息子家族と15年ほど同居していたが、お互いの生活を尊重しようと1人暮らしを始めた。

 室内の床に段差はなく、トイレや浴室に手すりを備えるバリアフリー設計。急病や転倒事故などに対応するため、人の動きを感知するセンサーや複数の緊急通報ボタンが設置されている。

 入居時は、引っ越しの片付けも1人で難なくこなせた和子さん。最初はあちこちに手すりがある理由が分からなかったというが、「この年齢になって、ありがたみを感じるようになりました。今は、転んでけがをしてしまうのがとても心配なので、段差がないのもありがたいです」と充実した配慮を実感する。見守りセンサーは日々の安心感につながっているといい、息子たちも「今の家なら自分たちも安心していられる」と太鼓判を押す。

収入・家賃に応じた家賃補助も

 高優賃は、自立して生活できる60歳以上を対象とした賃貸住宅だ。高齢者が安全・安心な生活を送るために工夫された設計となっているほか、収入や家賃に応じて1カ月あたり最大4万円の補助が受けられる。介護付きの住宅などとは異なり、自立した生活ができることが原則だが、希望すれば生活相談や定期的な安否確認を受けることもできる。

床に段差がないなど、バリアフリーに配慮された高優賃の住宅(横浜市住宅供給公社提供)

 横浜市内でも高齢化が進む一方、シニアにとって住みやすい賃貸物件は少なく、家賃も高くなりがちだったことから、20年ほど前から市の施策として実施している。公社としては、物件確保のための働きかけや事業認定のサポート、完成後の管理業務といった「縁の下の力持ち」役を担う。公社では現在、51物件・1586戸を管理しており、契約率は90%超。8割以上が単身で入居しており、次いで夫婦が多いという。

 和子さんも、家賃補助を受けて入居する1人だ。「補助はとても助かっています」と感謝を口にする。30年来の趣味であるフルートの演奏の腕前を生かし、老人会などで披露している。「聴いている皆さんの目が輝くのを感じると、やりがいを感じます。自宅は防音性も高く、家で練習できるのもありがたいです」と笑顔を見せる。高優賃の住まいで、充実した日々を送っている。

不動産業を通じて社会課題解決に貢献する

 シニアに住みよい住宅を、手頃に提供する―。そのための大きな課題の一つは、物件の確保にある。高優賃の多くは、民間事業者が所有する賃貸だ。不動産オーナーがバリアフリーなどに配慮した集合住宅を設計・建設する必要があり、その理解を得ることが必須となる。

高優賃向け集合住宅「フォンテーヌ センター北」(田代社長提供)

 「不動産業を通じて、高齢化という社会課題解決に微力ながら貢献したいとの思いでした」。そう話すのは、市営地下鉄センター北駅(同市都筑区)近くで高優賃向け集合住宅を経営する「田代ビル」の田代伸次社長だ。

 同住宅は7階建て78戸で、11年末に入居を開始した。09年頃から公社とともに準備を進め、市への認定手続きや入居申込者への内覧会などを実施してきた。現在も、公社に管理業務を委託している。

入居申込者向けに開かれた内覧会(田代社長提供)

 「駅からほど近く、平坦で、商業・医療施設も充実している。シニア向け住宅にふさわしい立地だと判断し、高優賃の事業化を決意しました」と、田代社長。建物の廊下や居室などにバリアフリー設計を施す必要があり、延べ床面積に対して居住スペースの比率が低くなるなど事業採算面のデメリットもあるものの、「高齢の方々に快適な住宅を提供したいとの思いでした」と力を込める。

 「こんなにいい住宅に住めてありがたいです」「ここが私のついのすみかです」。入居者からの感謝の声が、喜びとやりがいにつながっているという。「シニア向け住宅の需要はまだまだ高まるでしょう。それに応えるため、高優賃の経営を拡大させていきたいです」と今後を見据えていた。

公社が「扇の要」役を果たせる理由

 横浜市の将来人口推計によると、2035年には市民の約3割、40年には約3分の1が65歳以上となると見込まれている。そして和子さんのように、自身の生き方として1人暮らしを選び取るシニアも少なくない。シニアが暮らしやすい住宅の必要性は高まりこそすれ、低くなることはないはずだ。

 とすれば、行政や不動産オーナーと連携して物件を確保し、管理業務を通じて入居者をサポートする公社の役割も同様だろう。賃貸住宅事業課の岩﨑博子さんは「相談窓口で生の声を聞くことで、高齢者の住まいに関するニーズの理解に努めています。これからも、高齢者向け住宅政策を全力で支援していきたいです」と意気込む。

高優賃住宅経営への思いを語る田代社長

 横浜に住まう人々の老後を支えるその大役を、公社が果たしうるのはなぜか。田代社長はこう分析する。「都市再開発から集合住宅建設など住まいの供給・管理まで、公社は長年にわたり、まちづくりに底辺から、ハードとソフトの両面で取り組んできています。そのことが、公社に対する揺るぎない信頼感につながっているのではないでしょうか」

大都市・横浜の発展や変化に対応しながら、まちづくりを下支えしてきた横浜市住宅供給公社。その経験やノウハウがあるからこそ、次の社会課題に立ち向かう「扇の要」となり得ているのだろう。

 
 

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