本や広報誌、新聞、取扱説明書などのさまざまな文章を音読し、録音図書のCDとして目の不自由な人に届ける相模原市内のボランティア団体「相模原市録音奉仕会ひばり」が活動開始から今年で40年を迎えた。声のボランティアとして、多くの人を支えてきた。
「もう一度同じ場所を読んでください」。同市中央区の「あじさい会館」にある録音作業室。マイクに向かって文章を読み上げるメンバーの声を聞き、読み間違えをチェックする練習を繰り返していた。斎藤教子会長は「発声やアクセント、滑舌など、聞きやすい読み方になるよう努力を重ねています」と話す。
メンバーは約70人で、「広報さがみはら」や「市議会だより」などの市の情報誌のほか、個人の希望に応じて小説、専門誌、カタログなどを音読して録音している。メンバーが選んだ本のあらすじや内容の一部を紹介する録音図書「本棚」や、新聞・雑誌などの記事を選んで読み上げる録音図書「ポシェット」も人気を集めている。
録音した音声は編集してCDに記録し、希望者に郵送で貸し出している。図書館などで依頼者の前で音読する取り組みも続けてきた。
活動は「目の不自由な方の目の代わり」になろうと、1978年に始まった。当初7人だったメンバーは次第に増え、録音機材もカセットテープからCDに変わった。斎藤会長は「人の役に立つという得がたい充実感がある。今後も愛され、必要とされるよう活動を続けていきたい」と語った。
同会は新会員を募集しており、9月から連続講座を開催する。問い合わせは、同会(あじさい会館録音作業室内)電話042(759)3963、内線5586。