「今年はコロナの流行で、小学校の音楽で児童は鍵盤ハーモニカ本体を購入して学習しています。これまで吹き口だけ購入して本体は学校のものを使用していました。仕方ないとは思うのですが…」。
小学校低学年の娘を持つ横浜市鶴見区の40代の女性から、「追う! マイ・カナガワ」取材班にこんな戸惑いが寄せられた。
数百円で購入できる吹き口に対し、本体を含めると大手の販売価格は5千円以上になり、家庭の負担は軽くない。
新型コロナウイルス禍で音楽の教育現場にどんな変化が起きているのだろう。
受け止めはさまざま
女性によると、鍵盤ハーモニカ本体の個人所有を求めるプリントが学校で配布されたのは昨年9月。理由は、消毒が難しい本体を共用することで感染リスクが増すことを警戒したコロナ対策だった。
女性の第1子である長女は本体を持っておらず、急な購入の指示に当惑したという。「他の子との違いを気にする年頃。購入を拒否すれば、いじめにつながる可能性もある」。やむなく5600円を支払った。
ただ納得はできていない。「今は授業参観もなく、保護者同士の交流もない。他の人はどう思っているのだろうと考えながら受け入れるしかなかった」。授業での使用頻度は低いといい、もったいなさも感じる。
取材班が、本体購入について市内の他の保護者にも受け止めを聞くと「私も吹きたいからわが家的にはうれしい。けど購入は希望者だけでいいと思う」「買いたくないけど、コロナ感染を考えると仕方ない。他のもので代用できるなら、鍵盤ハーモニカでなくても良い」など、さまざまだった。
他の学校どう対応?
鍵盤ハーモニカ学習、コロナ禍では「本体購入を」…でも高価
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自宅で鍵盤ハーモニカを消毒する男児 [写真番号:481612]
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小学校の授業で使用される鍵盤ハーモニカ [写真番号:481616]
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鍵盤ハーモニカの練習に励む男児 [写真番号:481614]