年間2千万人に上る箱根の観光客を、どう誘導するか─。南箱道路開通を目前に控え、1989年度に約97万人だった入り込み観光客数を2023年度に200万人と倍増させる目標を立てる南足柄市にとって、大きな課題だ。まずは箱根側に観光パンフレットを置けるよう町側と調整、観光案内サイト「ココシル南足柄」の充実も図る。
市が「拠点」に位置付けるのが、昨年6月にオープンした道の駅「足柄・金太郎のふるさと」だ。休日は1日に3千人、平日でも千人が来場。200人超の地元生産者が納品する農産物直売コーナーや、地元のブランド牛「相州牛」が食べられるレストランが人気という。
今秋には同施設周辺の生産者が枝豆や落花生の収穫体験を開始予定で、農地を拡大させ「道の駅で体験申し込みを受け付けられるようにできれば」と市環境経済部。道の駅の大塚貴文駅長も「観光客がここを拠点に市内各地に足を運んでもらえるよう、情報発信機能を高めたい」と話す。
同市の加藤修平市長は「単なる連絡道路ではなく、足柄上郡を含めた足柄平野と箱根が連携し、結び合い、つむぎ合う道路として生かしていきたい」と意気込んでいる。