南足柄市矢倉沢・地蔵堂地区の「足柄山誓光寺(せいこうじ)(通称足柄地蔵尊)」で21、22の両日、本尊の「木造地蔵菩薩立像(ぼさつりゅうぞう)」が150年以上の時を経て開帳される。700年以上にわたり代々守り続けてきた檀家(だんか)らは「次の世代に信仰をつなぐきっかけにしたい」と話している。
木造地蔵菩薩立像は像高160・5センチで、右手に錫杖(しゃくじょう)、左手に宝珠を持ち、首元には三連の花飾りを身に着け、黄金色の後背を伴う。昨年11月に調査した東京国立博物館の浅見龍介企画課長によると、立像は鎌倉時代後半(13世紀ごろ)の作品とみられるという。浅見課長は「衣のひだや布のたるみが非常に写実的に描かれている。男性的かつ精悍(せいかん)な顔つきで、体格もよい」と評価する。
1979年からは、立像を収める「地蔵堂内厨子(ずし)」(推定室町時代作)とともに、県指定重要文化財となっている。
長らく開帳されなかった理由は…
150年の時を経て…足柄地蔵尊が開帳へ 檀家ら準備着々
-
開帳を機に飾りなどを一新した「足柄地蔵尊」の傍らに立つ佐藤さん=南足柄市矢倉沢 [写真番号:417711]
-
年5回、檀家の女性らが念仏を唱え、信仰を大切に守っている=2019年9月、南足柄市矢倉沢(佐藤さん提供) [写真番号:417712]