あらゆる商品やサービスに、消費税込みの支払額を明記せよ。そんなルール「総額表示」が4月に始まった。
これで値札とにらめっこする日々とはお別れだ。そう思ったのもつかの間、「追う! マイ・カナガワ取材班」に切実な声が届いた。
「趣旨に反したチラシに困っている」。早速、話を聞きに行った。
消費者「勘違いしかねない」
県央部に住む男性(81)は憤りを隠せない。
「これ、見てよ」
差し出されたスーパーのチラシには、刺し身の写真と値段が顕示されていた。
398円
赤い太字が目に飛び込んでくる。その下に、細く黒い字が添えられていた。
税込価格429.84円
数字のサイズを比べると3分の1ほどで、頼りない印象を抱く。ところがどっこい、この表示こそが新ルールの肝となる「総額」だった。
「安さを前面に押し出したい気持ちは分かるけど、私のような高齢者は支払額を勘違いしかねない」
チラシには総額が明記されているとはいえ、明らかに本体価格の方が目立つ。指摘はさもありなんだ。この見せ方はいかがなものか。
財務省「法令上は問題なし」
消費税込み「総額表示」スタート…でもチラシは紛らわしい?
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ある県内スーパーのチラシ。赤い太字の「本体価格」と、細く黒い字の「総額」を男性が指し示す [写真番号:606135]
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消費者庁は総額表示の問題例を複数例示している。その一つでは、本体価格の右下に総額が表示されているが、文字が小さすぎて読みづらい [写真番号:606136]
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消費税を巡る制度と税率の変化 [写真番号:606137]