富士フイルムがインフルエンザ感染予防として約3年前から始めた中学校への取り組みが、同社ゆかりの県西部で広がりをみせている。取り組みは2019年度で終了する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて継続。同時流行による医療崩壊を防ぐために横浜、川崎市など県東部にも広げたいと考えている。
教育会議で話題
同社は17年に除菌クロス、スプレーの「ハイドロ・エージー・プラス」を販売開始。当初は医療機関向けだったが、インフルエンザの市中感染予防にも役立つのではと考え、モデルケースとして学校現場を想定した。南足柄が創業の地であることから県西部でモニターとして協力してくれる中学校を探したところ、松田町立松田中学校が手を挙げた。
18年1~3月に同校の3年生で使用すると、他学年と比べてインフルエンザに感染する生徒数が少なかった。この事例が地域の教育関係者の会議などで広まり、18年度には南足柄市や開成町など県西部1市6町の全校と小田原、茅ケ崎市各1校の計12校が参加した。