新型コロナウイルス感染症の影響は、働く現場に変革をもたらしている。リモートワーク(在宅勤務)を本格導入する中小企業が増え始め、それに伴い「休日」の取り方も変わってきた。企業向けのグループウエアを提供しているネオジャパン(横浜市西区)の斎藤晶議社長は言う。「人の価値観や発想が変わりつつある。そこにイノベーションの可能性と、日本の未来がある」。どういうことか。
─在宅勤務が一般化していくことで何が変わるか。
「働く人の居住地が変わっていくのではないか。これは、実はとても大きな変化をもたらすと思っている。毎日通勤するとなるとちょっとつらいが、週に2~3回なら難なく通えるという距離。バスと電車で1時間半弱。職場まで『100キロ圏内』などと言われている。湘南エリアなどは売れ行きが良くなっているという話もある。在宅勤務が浸透していくと、そういう場所に住みたいな、という気持ちにもなってくる」
「空気がいいところ、山や海があるところ。これは何といっても、子どもを育てる環境を考えれば最適だろう。通勤時間がカットできるため、子育てできる時間が増える。住宅にかかる費用も割安で済むかもしれない。働き方が変わることで現実味を帯びてくる」
─大きな波及効果が考えられる。
「もしかしたら『少子化』の歯止めになるのではないかと思っている。都心から少し離れたところに住むことで、いろいろな面で余裕も出てくるだろう。この『余裕』がとても重要。じわり浸透していくことで、日本全体が子育てしやすい国になっていく可能性がある。いま日本が抱える最も大きな課題は『少子化』と言っていい。ここに歯止めをかけなければ、未来はない」
─どのような可能性があるか。