現代アートの国際展「ヨコハマトリエンナーレ2014」の役割を考える国際シンポジウム「国際展で考える『現代アートと世界/地域との関係』」が14日、主会場の横浜美術館(横浜・みなとみらい21地区)で開かれた。国内外の専門家が意見交換し、新人アーティストの発掘や共生と多様な価値観を発信する意義が指摘された。
シンポでは、キューバのハバナ、インドのコーチ、福岡、横浜の各国際展と横浜の創造界隈(かいわい)拠点である「BankART Studio NYK」「初黄・日ノ出町地区」の歴史と概要を紹介。
その上で、キューバのマルガリータ・ゴンザレス・ロレンテさん(ビフレド・ラム現代美術センターキュレトリアル部門副部長)、インドのリヤス・コムさん(コーチ・ビエンナーレ財団共同創設者)は、地域の新人を世界に発信したり、異なる価値観と多様性を地域に示したりする意義を強調した。
一方で、ヨコハマトリエンナーレの今後には懸念の声も上がった。
池田修さん(BankART1929代表)は「ワン・オブ・ゼムの国際展になる懸念がある。370万都市にふさわしい予算、体制で専用の会場で行うべきだ」と提案。黒田雷児さん(福岡アジア美術館事業管理部長)は「日本のアーティストを世界に発信してほしい」と指摘し、山野真悟さん(黄金町エリアマネジメントセンター事務局長)も「新しい作家の発掘が課題。各国際展のつまみ食いになりかねない」と話した。
これに対し横浜美術館長の逢坂恵理子さんは「トリエンナーレで共生、多様性を発信していきたい。NPO、地域などと連携し何が横浜にふさわしいか模索、挑戦する」と語った。
【神奈川新聞】