【2021年8月13日紙面掲載】
モロッコ・カサブランカで小さなパン屋を営むアブラ(ルブナ・アザバル)は夫を事故で亡くして以来、幼い娘と二人暮らし。化粧もせず、音楽を聴くこともなく心を閉ざして生きてきた。
ある日、仕事を失って路地をさまよう未婚の妊婦サミア(ニスリン・エラディ)と出会ったアブラは、しぶしぶ彼女を家に泊めることにする。イスラム社会で暮らす女性の苦悩と同時に、心を寄せ合って生きる事の喜びが伝わってくる。マリヤム・トゥザニ監督。1時間41分。kino cinema 横浜みなとみらいで13日から上映。
!…濃密な愛を歌い上げる、けだるいアラブポップスが街の空気感を伝える。