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恩田陸・同名小説が基の舞台上演 KAAT神奈川芸術劇場

芸能 | 神奈川新聞 | 2021年3月31日(水) 19:36

東京芸術大学特任教授などを務め、若い音楽家の育成にも取り組む。「若い音楽家はコロナ禍だからこそ自己研さんに取り組むべき。押しつけがましく音楽を発信するのは今じゃないよと伝えたいですね」=東京都内(撮影・立石祐志)

 恩田陸の同名小説を基にした舞台「蜜蜂と遠雷~ひかりを聴け~」が4月11日まで、KAAT神奈川芸術劇場(横浜市中区)で上演されている。俳優による歌と芝居に加え、ピアノとオーケストラによる本格的な演奏で物語を紡ぐ「シンフォニー音楽劇」。音楽監督と指揮を務める千住明に音楽づくりへのこだわりを聞いた。

 世界的コンクールに出場する若きピアニストたちが人生を懸けて音楽に向き合う姿を描き、第156回直木賞と2017年本屋大賞を受賞した小説「蜜蜂と遠雷」。18年に朗読と音楽を組み合わせた形で舞台化され、その後もアレンジを変えて上演され続けてきた。「原作を大切にしながら、エンターテインメントとして楽しんでもらう工夫をしてきました」と語る千住は、初回からこのプロジェクトに携わってきた。

 劇中で演奏される現代曲「春と修羅 0番」は、千住が今回の舞台のために作曲。小説では、コンクールの第2次予選の課題となる曲だ。現代音楽は難解なものとして敬遠されがちだが、千住は「理論を超えて、音楽を感じられるものにしたかった。宮沢賢治の見た世界が心の中によみがえるような曲になっていると思う」と自信をにじませる。

 作品全体のテーマ曲として作曲した「ひかりを聴け」をはじめ、物語に登場するクラシック音楽には原作者の恩田が詩を付けている。ベートーベンのピアノソナタ「悲愴」やドビュッシーの「月の光」がどのように歌われるのかも聴きどころだ。

 ピアノの演奏は川田健太郎。物語のクライマックスではプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番1楽章とバルトークのピアノ協奏曲第3番第1楽章を披露する。「繊細な表現ができる、非常に優れたピアニスト。舞台の構成に柔軟に対応しながらも、音楽の完成度を高めようとする姿勢には頭が下がります」と信頼を寄せる。

 俳優陣も音楽の理解を深めながら稽古に取り組んでおり、主人公の風間塵(じん)を演じる中山優馬はサティの「ジュ・トゥ・ヴ」などを演奏するという。「登場人物たちの心情と共に、深い音楽の世界を感じてもらえる作品になっていると思います」(太田 有紀)

 4月11日まで(1、7、9日休演)。全席指定、A席1万2千円、B席7500円。問い合わせはサンライズプロモーション東京、電話0570(00)3337。

 
 

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