作曲家でピアニストとしても知られる一柳慧(いちやなぎとし)の、神奈川芸術文化財団芸術総監督就任20周年を記念した企画「Toshi伝説」が1~3月に開催される。新進気鋭の芸術家がそろい、一柳の創作の軌跡をたどる。
1月17日には県民ホール(横浜市中区)のギャラリーでチェンバロと笙(しょう)による「音幻」を開催。一柳監修のもと、大山エンリコイサムのインスタレーションと流尾真衣(チェンバロ)と三浦礼美(笙)の奏でる音楽がコラボレーションする。
2月13日に同ホールで開催されるのは「共鳴空間(レゾナント スペース)」と題したプログラム。指揮者の鈴木優人、バイオリニストの成田達輝、東京フィルハーモニー交響楽団が出演し、管弦楽における一柳の代表作「ビトゥイーン・スペース・アンド・タイム」などを演奏する。
3月20日には県立音楽堂(同市西区)でクラシック音楽、日本の伝統音楽、実験的なピアノ音楽の3つのアプローチから一柳の仕事に光を当てる催し「エクストリームLOVE」を企画している。一柳と成田のほか、ピアニストの萩原麻未と河合拓始、ブルーオーロラ サクソフォン・カルテット、三味線の本條秀慈郎らが結成した邦楽演奏家集団「J─TRAD ensemble─MAHOROBA」も登場する。
12月9日に行われたマスコミ向けの記者懇談会で一柳は「第一線で活躍する音楽家の皆さんが私の音楽を演奏してくれるのは非常に楽しみ。世界が困難な局面を迎えている中でも彼らの活動を見ていると希望を感じられる」と期待を述べた。
24歳以下の学生を無料招待する一柳シート(要事前申し込み)も用意されており、2月の演奏会のために新たなファンファーレを作曲する鈴木は「若い世代にも一柳先生の作品を聴いてほしい」と力を込めた。
2、3月の両公演を鑑賞できるセット券7500円など。チケットはチケットかながわ、電話(0570)015415。