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音楽への喜びを共有したひととき 東京交響楽団の特別演奏会

文化・科学 | 神奈川新聞 | 2021年6月16日(水) 18:39

横断幕を掲げるノット(撮影・平舘平、提供・東京交響楽団)

 演奏後、万雷の拍手がホールを包んだ。カーテンコールに何度も応じるマエストロ、ジョナサン・ノットが手にするのは「I’m Home! ただいま」の横断幕。コロナ禍に無事に来日を果たした指揮者と素晴らしい演奏を披露したオーケストラ、そして観客が、音楽へのあふれる喜びを共有したひとときだった。

 ミューザ川崎シンフォニーホール(川崎市幸区)で5月27日に行われた「東京交響楽団 特別演奏会」。同楽団の音楽監督を務めるノットが、本拠地で振るのは約1年半ぶりだ。

 アルバン・ベルクの「室内協奏曲-ピアノ、バイオリンと13管楽器のための」は、文字通り、児玉麻里のピアノ、グレブ・ニキティンのバイオリンが13種類の管楽器と響き合う。ピアノから始まり、バイオリン、管へと次第に増えていく華やかな音の重なりに冒頭から引き込まれた。

 時にピアノとバイオリンの掛け合いになるなど、デュオと合奏の楽しみを同時に味わえる、緊張感のある調べが続いた。

 グスタフ・マーラーの「交響曲第1番ニ長調 巨人」は、悠然としたゆったりしたテンポで丁寧に聴かせた。しなやかでありながらさえたノットの指揮、しかも譜面なしの自在ぶりに、オーケストラがノリノリの熱演で応えた。

 2楽章の華やかなワルツ風のスケルツォ、民謡を取り入れた豊かな旋律の3楽章、共に強弱を巧みにつけて歌い上げる。4楽章ではノットとオーケストラの一体感にわくわくさせられ、圧倒的な迫力に酔った。

 当日の演奏の様子は動画配信サイト「ニコニコ動画」で27日まで無料配信している。

 
 

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