舞台芸術の拠点として横浜市中区山下町に11日開館した神奈川芸術劇場(KAAT)のこけら落とし公演「金閣寺」が29日夕、開幕する。三島由紀夫の名作を原作に、芸術監督の宮本亜門さんが自ら演出し、舞台化した。自意識に苦悩する青年の姿を通じ、生きる意味をあらためて問う。
主人公の溝口を演じるのは、アイドルグループV6の森田剛さん。内面の焦燥や葛藤を激情的に描く。高岡蒼甫さん、大東俊介さん、中越典子さん、高橋長英さんら個性豊かな脇役とともに、溝口のよりどころだった金閣寺に自ら火を放つまでを、畳み掛けるような疾走感で表現する。
28日、通し稽古を公開した森田さんは「亜門さんからはいつも『走れ』と言われていました」と裏話を披露。宮本さんは「やることが山のようにある芝居だが、みんな役者として芯がある」と応じていた。
公演は2月14日まで。
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