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米原子力空母の放射性物質放出問題 国「安全性問題ない」

社会 神奈川新聞  2015年11月03日 03:00

 米海軍横須賀基地(横須賀市)に5月まで配備されていた原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)が、2011年3~4月に航海中の排他的経済水域(EEZ、沿岸から200カイリ)内で艦内から放射性物質を放出していた可能性があると市民団体が指摘していた問題で、外務省は2日、市民団体の照会に文書で回答した。放出自体の事実を認めた上で、環境に影響はなく、安全性も確保されていたと説明している。

 市民団体「原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会」は、米情報公開制度を利用してGWの航海日誌を分析。それによると、空母は11年4月8日に四国沖で、タンクにたまった放射性物質を含んだ原子炉の1次冷却水をポンプ作業で海に放出したという。同会は「放出位置は本州からは225カイリだが、鳥島(東京都)から測ると200カイリ以内」と指摘している。

 また航海中に、2基の原子炉が稼働中に1基ずつ人為的な緊急停止を行い、直後に短時間で再起動、急速出力から臨界を経て通常稼働に戻すといった訓練を行っていたことも判明した。

 こうした事実確認の要請に対し、外務省は回答文書で、200カイリ以内での放射性物質放出については「従来から米国からは沖合12カイリ以遠における放射性物質の放出は厳重に行われているとの説明を受けている。低いレベルの放射能の放出は人の健康、海洋生物または環境の質に何ら悪影響を与えてきていないと承知している」と回答。急速出力上昇訓練には「海軍の原子炉の設計は商業炉と異なり、安全性を十分確保した上で行われている」との認識を示した。

 市民団体の呉東正彦弁護士は「外務省が事実を認めたのは一歩前進だが、今まできちんと米側から情報が提供されてきたかは疑問。具体的な情報の開示を米軍に求め、市民にも説明すべきだ」と話した。


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