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再び輝ける日を 硬式野球BBCスカイホークス

高校野球 神奈川新聞  2015年04月24日 12:34

トレーニングに励むBBCスカイホークスの選手たち=大和スタジアム
トレーニングに励むBBCスカイホークスの選手たち=大和スタジアム

勉学と練習両立図る

 高校野球の強豪校の厳しい環境などになじめずに退学した球児らを受け入れ、第二の人生を歩むサポートをしている野球チームが県内にある。大和スタジアムを拠点に活動する硬式野球クラブ「BBCスカイホークス」。16歳から24歳までの男女30人が所属し、大学進学や独立リーグ入りなどを目指して、勉学と練習に励んでいる。

 野球教室などを主催するベースボールコミュニケーション(BBC、東京都)が、2年前の春に設立した。指導するのは桐蔭学園高OBで、プロ野球ヤクルトなどで活躍した副島孔太監督(40)だ。

 さまざまな事情で挫折を味わい、高校は離れても、勉強しながら野球を続けたいという若者の思いに応えている。設立2年で独立リーグや大学野球に約10人の卒業生を送り込むなど実績を挙げてきた。

 午前中は練習し、午後は週3日、提携する日本航空高(山梨)の通信制課程の授業を受ける。学費は年間約100万円で、入寮した場合は180万円ほど。BBCがあっせんするアルバイトで、学費を稼ぐ選手もいる。

 実戦は大学生らとの練習試合が月に1、2試合ほど。日本高野連に加盟できないため、ほかの高校との練習試合も組めない。チームは現在、日本野球連盟にクラブチームとしての加盟を申請中。加盟できれば、全国クラブ選手権や都市対抗大会の予選などの公式戦参加への道が開ける。

 大学野球、独立リーグ、女子野球、そしてプロ野球へ。ナインが、一丸となって夢を追っている。

強豪校退部の球児

 


トス打撃に汗を流すBBCスカイホークスの選手たち
トス打撃に汗を流すBBCスカイホークスの選手たち

平日朝の大和スタジアム。ユニホーム姿の若者たちが、グラウンドに散る。強豪校が見せる流れるようなキャッチボールや豪快な打球音はそこにはない。掛け声だってまばらだ。

 それでも白球を追うまなざしは輝いている。「目標はばらばらだけど、野球が好きでやめられない思いは一緒」と主将の牧口良秀(3年)が、うなずく。

 挫折を味わった球児たちだ。「厳しい練習についていけなかった」「3年間補欠のまま終わりたくなかった」。経歴を聞けば、県内外の甲子園常連校が並ぶ。

 「ボールに触らせてもらえたのは最初の3カ月だけだった」。県内の強豪校に通った捕手の杉山優祐(3年)は意を決して退部を申し出た。スポーツクラスだったため、学校の制度上、退部は退学を意味した。この先どうすればいいのか…。わらにもすがる思いで、チームの門をたたいた。

 打撃は、ヤクルトで2001年優勝メンバーの副島監督、投手は横浜商高時代に甲子園で春4強、夏8強の実績がある小泉史生コーチ(元東芝)が指導する。

 高校からプロまで順風満帆に歩み、引退後は指導者として社会人やクラブチームを渡り歩く副島監督は「頭ごなしには怒らないようにしている」と選手の置かれている状況に配慮して言う。

 礼儀や野球技術はもちろんだが、挫折して集まってきた選手たちに、どうしても伝えたいものがある。「失敗から目を背け、熱さがない子もいる。野球をきっかけに変わり、卒業後も生きていけるようにしてあげたい」

 杉山は、BBCから勧められ、勉強しながら少年野球教室のコーチとして働いている。「教えていると新しい発見があったり、指導者への興味も湧いてきた」と、退部したころから一転して、意欲的な毎日を送る。

 そうした活動に県内の高校指導者からも「退部した選手も野球は続けてほしいと思っていた。自分たちができないことをやってくれている」と評価の声が上がり始めた。

 牧口も県内の強豪校をけがで退部し、退学した経歴を持つ。

 「甲子園には行けなかったけど、いつかプロへ行く。遠い道だけど、少しずつでも近づける場所に来られた」。過去2年で4人の独立リーグ選手を輩出したチームで、白球を追う幸せを感じている。

副島孔太監督

 


副島孔太監督
副島孔太監督

そえじま・こうた 桐蔭学園高時代は高木大成(元西武)、高橋由伸(巨人)らと甲子園に出場。法大を経て、1997年にドラフト5位でヤクルトに入団した。左の強打者として、2001年の日本シリーズで決勝本塁打を放つなど活躍。オリックス移籍後の04年引退した。05年からは茨城ゴールデンゴールズなど複数チームで指導者を務める。東京都出身。40歳。


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