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黒岩知事の「緊急メッセージ」と主な「一問一答」

社会 | 神奈川新聞 | 2020年3月26日(木) 18:07

黒岩祐治知事
 新型コロナウイルス感染症は世界各地で急激に拡大し、国内の感染者も1300人を超えました。東京都は現在の状況を感染爆発の重大局面と捉え、平日はできるだけ自宅で仕事を行うことや、夜間の外出を控えるとともに、特に今週末の不要不急の外出の自粛について呼び掛けました。神奈川県は現在のところ感染拡大のスピードをなんとか抑制できていますが、あるとき突然爆発的に患者が増加する「オーバーシュート」が起きる可能性は否定できません。それによる医療崩壊や都市機能の停止という事態は絶対に回避しなくてはならないと考えています。そこで神奈川県としましても東京都の取り組みと連携し、なんとしても感染拡大を防ぐため県民の皆様に次のことをお願いします。

 まず「3密」と言われる「密閉」「密集」「密接」を避けて行動してください。不要不急の外出を控え、仕事についてもできるだけ自宅でできるよう、工夫をお願いします。人の集まるイベントなどについても延期や中止、開催方法の工夫の検討をお願いします。特に今週末については外出の自粛をお願いします。若い世代の皆さんは感染していても症状が軽い場合など、外出や人と接することによって気が付かないうちに感染を広げる可能性もあります。心苦しいですが、感染拡大を食い止めるには今の時期が非常に重要です。ぜひともご理解、ご協力をお願いします。県も県民と一体となって乗り越えていきたいと考えています。

 また現在、医療崩壊が起きていないのは医療従事者の皆さんが全力で新型コロナウイルス感染症と闘ってくれているからで、心から敬意を表したいと思います。しかしながら、コロナウイルスの陽性患者を受け入れた病院などで、医療従事者の子どもの託児所の受け入れ拒否や医薬品を納品する業者の納品拒否など、いわれのない差別や偏見にさらされています。このような偏見や差別は断じて許されません。医療崩壊を起こさせないためにも、医療従事者やご家族を応援する機運を高めていく必要があります。

 そこで県では、全力でコロナウイルスと闘う医療従事者を「コロナファイター」という言い方をして、「コロナファイター」の皆さんにエールを送るキャンペーンを展開します。県民の皆さんに医療従事者への感謝のメッセージとともに「頑張れコロナファイターズ」とエールを送っていただき、SNSなどで拡散していただきたい。誰でもすぐに簡単にできるものと思います。今後、私自身の画像もアップして医療従事者を応援していきたいと思います。ぜひ一緒に医療従事者、「コロナファイターズ」を応援しましょう。皆さまのご参加をお待ちしています。

 また、この新型コロナウイルス感染症に打ち勝つには、全県民の総力戦に取り組んでいく必要があります。闘いに協力してくれる企業、団体に対して「頑張れコロナファイターズ」のステッカーを作成します。例えば、これから感染者がピークになった場合、感染者で無症状の方や軽症の方は自宅や宿泊施設などでモニタリングとなります。この施設として協力いただいた宿泊施設などが想定されます。宿泊施設に限らず、協力いただける全ての企業、団体、個人の方に使用していただき、県民一体となって闘うシンボルとしていきたいと思います。ステッカーは県HPに掲載し、ダウンロードして自由に使っていただきたいと思います。

 神奈川県独自の取り組みとしては、LINEを活用した新型コロナ対策パーソナルサポートの登録者数が13万人を突破したことに加え、すでに10の都道府県が運用を開始しました。さらに10を超える都道府県でも導入に向けた検討を行っているなど、新型コロナ対策の「神奈川モデル」が全国に広がりつつあります。

 またふるさと納税では、目標額1000万円に対し26日午後1時の時点で612人から約972万円の寄付をいただき、大変ありがたい。引き続き全力で取り組んでまいりたいと思います。

【主な一問一答】

―今週末の外出の自粛要請は、都内への移動の自粛だけではなく、県内での外出、移動も自粛を要請するということか

 「そうです。基本的に『外出の自粛を要請する』ということです。どことはあえて言いません。私の認識では、東京都と神奈川県は一体と思っています。どこからが東京で、どこからが神奈川という感じではありません。100万人ぐらいが神奈川から都内に行っています。なので都内へ、というのではなく皆さんに外出自粛要請という形でお願いしたい」

―不要不急の外出を控える、の「不要不急」の定義は

 「どうしても外出しなくてはいけないということは当然あると思います。例えば、日常的な食料品を買うとかそういったことをやめるのはすぐにはできません。それ以外の何か“お楽しみ”ですとか、まさにこれがなければ生活できないといったもの以外の外出はできるだけお控えいただきたい」

―今回の措置はいつからいつまでの期間をめどにしているのか

 「今から始まっているとお考えいただきたい。いつまでというのは、まだなかなか先が見通せない状況で、感染者の状況などを見ながら判断していくことになります。基本的には県全体で4月24日までは基本的な自粛の話をしていますが、まずはそこまで」

―都知事と協議はしたのか

 「つい先ほど都知事から電話が入りました。『一緒にやってまいりましょう』と。また、本日午後7時半から首都圏の首長でネット会議をやろうと話がありました」

―首都圏とはどこまで入るのか

 「私の認識では東京、千葉、埼玉、神奈川。山梨も入っています」

―山梨が東京への往来を自粛するように言っているが

 「東京と横浜はくっついています。そこで線を引くことにあまり意味がないと私は思っています」

―具体的に自粛を要請するイベントはあるか

 「すでに4月24日まで基本的に自粛してほしいと申し入れているので、Kー1のような大きなイベントがあるとは把握していません」

―今週末自粛ということで、県内の中華街や箱根といった観光地の人たちががっかりしていると思うが、メッセージは

 「本当に、みんなで耐えていかなければならない重要な時期だと思います。神奈川は今、感染爆発という形になっておらず、ぎりぎりで抑えているというところだと思いますが、東京で感染者がどっと増えたら、いきなり神奈川でどっと増えてもおかしくありません。そういう状態になってしまえば、そこから立ち直る時間がどれだけかかるか、どれだけ経済的損失が大きくなるかと考えると、今はつらいけども皆さんとともに耐え忍んで感染爆発をなるべくないように、全県一致で頑張っていきたいと思っています」

―今週末については「不要不急」をあえて入れなかったのか

 「この土日は桜の美しい時期にあたっており、思わず気持ちも緩みがちなところです。東京都もそうだったと思いますが、あえて強調させていただきました」

―外出の自粛を要請する上での課題としては、県民がどれだけ協力してくれるのかだと思うが

 「今の日本のシステムでは、命令とか強制とかはできません。あくまで要請、お願いすることしかできない。緊急事態宣言がなされれば県知事は大きな権限を持つとは言われていますが、だからといって外出した人を逮捕するとか罰金を科すとかの強大な権限はありません。今を耐え忍べば必ずコロナとの闘いを勝ち抜くことができます。だから今、とにかく耐え忍んでいきましょうと私の思いで語るしかないのです」

―メッセージを県民に伝える具体的な手法は

 「『コロナファイターズ』は非常に重要なことです。医療崩壊を防ぐための「神奈川モデル」といった新しい医療体制の話を昨日しましたが、これを支えるのは皆さんの理解です。医療従事者の子どもたちがいわれなき差別・偏見にさらされるとか、そういった事態が実際に起きています。本当に医療崩壊が進んでいってしまいます。これは皆さんと一緒に立ち向かって行くという思いを共有するしかありません。そのために『コロナファイターズ』の動画やステッカーなどを展開しながらみんなで思いを広げていきます。徹底的にやっていきたいと思います」

―外出の自粛要請をいつごろから考えていたのか

 「大きなきっかけとなったのは都知事の発言。都がそこまでかじを切りました。神奈川と東京は一緒に連携していかなければだめだと思っていました。神奈川だけで考えれば、東京のようにぐーんと患者が増えている状況にはありません。神奈川のことだけ見ていればまだそこまで言わなくていいのかなというのが正直なところであったけれども、神奈川と東京は一体という状況の中、東京の基準に合わせようと」

―防災服で新型コロナ関係の会見に臨むのは初めてだと思うが

 「初めてです。皆さんに危機意識を伝えたいと思い、防災服を着ました。コロナウイルスの問題は災害ととらえています。そういった思いを皆さんに伝えたいので、あえて防災服を着てきました」

―日常的な買い物以外に“お楽しみ”という言い方をされたが、それは娯楽や外出などといったことか

 「基本的にはそういうイメージです。普段のこの時期、祭日や休日だったらちょっとみんなで出掛けて遊園地行ったり買い物だったりとまさに“お楽しみ”があると思いますが、それをちょっと我慢していただきたいです」

―病院への通院などは

 「症状によると思います。病院でも、よほどのことがない限り面会を断っている所もあります。本当に病院に行かないと大変なことになるという方は行っていただかないといけないが、今すぐじゃなくてもいいという方は、ちょっと時間をずらして行っていただきたい」

 
 

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