横浜市が誘致を表明したカジノを含む統合型リゾート(IR)について、海外のカジノ事情に詳しい米ニューヨーク在住の日本人建築デザイナーの男性(52)が26日夜、横浜市南区の県地域労働文化会館で、誘致反対の立場から講演した。カジノの設計に15年近く関わってきた経験を踏まえ、「カジノは『飲む・打つ・買う』がセット。日本に必要ない」と警鐘を鳴らした。
男性は1988年にニューヨークでデザインを学んだ後、米国でレストランやバーなどの内装を手掛けるデザイン会社を設立。2004年からカジノを手掛け、これまでに米ラスベガスなど30近くのカジノに関わってきたという。
IRでレストランやブティック、コンサートホールなどの施設をデザインする際はその中心にカジノを置き、必ずカジノを通る動線を描くという。「ホテルのロビーもカジノを通った先にある」。カジノに立ち寄った客に対しては「そこから1歩も出ないようにデザインしている。街に還元はあり得ない。あれば、僕らデザイナーの負けです」と説明。保育施設でさえカジノの横を通るといい、「次世代を考え、子どもたちにカジノを慣らしている」と明かした。
一般社団法人勁草塾など3団体でつくる「カジノを考える市民フォーラム」が開催。会場には市民ら約100人が集まった。