湘南モノレール、全株式譲渡 三菱系3社がみちのりHDへ|カナロコ|神奈川新聞ニュース

湘南モノレール、全株式譲渡 三菱系3社がみちのりHDへ

40年以上にわたり地域に親しまれている湘南モノレール=西鎌倉駅

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 三菱重工業は22日、三菱系3社が保有する湘南モノレール(鎌倉市)の全株式を、交通・観光事業経営支援会社・みちのりホールディングス(HD、東京都千代田区)に譲渡することで合意した、と発表した。みちのりHDの株式保有割合は92%に上り、湘南モノレールは同社のグループ会社として営業を継続する。

 株式譲渡契約が同日、締結された。湘南モノレールの株式のうち、三菱重工業の保有する55・2%、三菱電機と三菱商事がそれぞれ持つ18・4%を、みちのりHDに6月上旬にも譲渡する。譲渡額は非公表。

 三菱重工業は同日、高い成長が見込めるコア事業に経営資源を投入し、市場での競争力強化に注力しているとし、「今回の決定もこの方針に沿うもの」と説明。湘南モノレールは田中孝治社長名で「今まで以上に地域貢献が果たせるよう、社員一同取り組んでいく」とのコメントを出した。

 湘南モノレールは1970年に営業を開始した懸垂型モノレール。大船-湘南江の島間(約6・6キロ)を結び、年間の利用客は沿線住民を中心に約1千万人を数える。みちのりHDは経営共創基盤(東京都千代田区)が100%出資し、2009年3月に設立。傘下に福島交通や茨城交通、岩手県北バスなど交通・観光事業会社5社を持つ。

◇みちのりHD松本社長が抱負「観光客増へPR強化」

 湘南モノレールをグループ傘下に収めることになった、みちのりHDの松本順社長(53)が同日、鎌倉市役所内で会見し、地域住民の通勤通学手段としての機能を今後も維持するとともに、「湘南モノレールをPRして観光客の利用を増やしたい」と抱負を語った。

 松本社長は、東北や北関東の地方交通に携わってきたみちのりHDの事業を引き合いに、「(グループ会社の)5社はそれぞれ収益を一定程度改善し、雇用や交流人口も増え、地域経済に良い影響を与えている」と同社が湘南モノレールを保有する理由を説明。南関東への進出を「(事業の)広域連携の質を高める意味で大きい」とし、「首都圏で(湘南モノレールが)事業を展開しているのは、今後の可能性を期待できる」とも述べた。

 今後の取り組みとして、(1)地域に根ざしてきた公共交通機関の役割を引き継ぎ、安全・安心な運行に努める(2)バリアフリー化など、利用客の利便性向上に努める(3)通勤通学だけでなく、首都圏全域からの誘客や訪日外国人観光客の利用促進のための施策を導入し、利用者を増加させて事業の成長を目指す-と説明。

 一部の駅でしか実現していないバリアフリー化について「沿線住民の高齢化が進んでおり、できる限り速やかに実現したい」と意欲をみせ、利用者を増やすために「グループ会社が行う事業の旅程にこの地域を組み込むなどして湘南モノレールをPRし、堅調に推移する利用客数に少しでも上乗せしたい」との考えを示した。

 一方、交通系ICカードの導入については「利便性が向上して利用客が増えた分で、投資コストを回収できるかが微妙。自ら経営することで正確な判断をしたい」と述べるにとどめた。

 湘南モノレールの経営陣に関しては田中社長を当面、続投させる考えで、その他の役員については「みちのりHDの取締役を複数人、送り込む」とした。社員105人については「リストラ、希望退職を募る予定や計画はなく、減らしたいとも考えていない」と強調した。 

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