【動画】火山ガスが大きく変化 「地下から一気に放出か」 東海大教授が箱根山調査

規制区域内で行われた調査。激しい噴気が起きていた=8日、大涌谷(東海大理学部大場研究室提供)

他の写真を見る
 箱根山(箱根町)の大涌谷周辺で続く活発な火山活動で、規制区域外の噴気地帯から出ている火山ガスの成分が大きく変化していることが19日、分かった。定点調査を始めた東海大の大場武教授によると、2013年1~3月の群発地震の時と比べて変化の度合いが大きく、活動の活発さを裏付けている。規制区域内も既に調査した同教授は「マグマから放出され地下で目詰まりしていたガスが一気に上昇しているのではないか。こうした状況が続く限り、水蒸気噴火の恐れはある」と警戒している。

 調査地点は、箱根ロープウェイ大涌谷駅から北へ400メートルほど離れた国有林内の「新噴気地帯」。約5カ月間に及んだ01年の群発地震を機に出現し、噴出するガスが高温なため周囲の樹木が立ち枯れしている。

 大場教授によると、地中から出ている火山ガスの成分は水蒸気が大半で、それを除くと二酸化炭素(CO2)、硫化水素(H2S)の順に多い。地震の数が多くなるにつれてCO2の割合が高まることが分かっており、H2Sに対する比率(C/S比)を算出し、数値の上昇度合いを定期的に比較することで火山活動の高まりを把握できるという。

 19日に採取したガスのC/S比は47で、11日の調査時から9上昇。県温泉地学研究所と協力して調査した13年の群発地震で同様の値になったのは、地震が増加してから約50日後で、大場教授は「今回の方が上昇のペースが速く、活動規模も大きい」と分析している。

 さらに「規制区域内の火山ガスも新噴気地帯のガスと同じような成分変化を示す。区域内で地殻変動が観測されているのも、地下でガスの圧力が高まっているのが原因ではないか」と指摘。町の許可を得て8日に規制区域内を調べた際は「いつも温泉水がたまっている直径60センチほどの穴が乾ききっていた」ことなどを確認し、これまでの火山活動では起きなかった異変が見られたという。

 これらの状況を踏まえ、「マグマそのものに変化は起きていないとみられるものの、地下に蓄積されたガスが地上に放出され、地震が収まるまでは水蒸気噴火の可能性がある」との見方を強めている。

 大涌谷周辺の活動は19日も活発だったが、県温泉地学研究所が捉えた微小な火山性地震は午後7時までで90回とやや少なめで推移した。5段階の噴火警戒レベルは2(火口周辺規制)が継続している。

COMMENTS

facebook コメントの表示/非表示

PR