障害者権利条約描く絵本 理想示す“北極星”に

人権諸条約の後押しで誕生したイエローリボン君

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 障害者権利条約の大切さを広く知ってもらおうと、1冊の絵本がつくられた。「えほん障害者権利条約」(汐文社)。全盲で日本障害フォーラム幹事会議長を務める藤井克徳さん(65)が文と構成を練り、そのイメージを版画家の里圭さん(37)がぬくもりあふれる版画にして落とし込んだ。巻頭言はつづる。〈権利条約は今の社会へのイエローカードであり、「こんな社会をめざしましょう」とさし示す北極星でもあるのです〉
 障害者権利条約を擬人化した「イエローリボン君」が主人公の物語。

 すでに世界のルールとして存在していた人権諸条約に「ちがいの中にこそ、その人らしさがある」「ちがいを大事にしよう」と後押しされ、2006年、国連で産声を上げた。ジャマイカを皮切りにハンガリー、パナマ、クロアチアと世界各国で受け入れられ、日本へ渡ってくる。批准は14年1月のことだ。

 イエローリボン君は問う。

 〈条約がきちんと守られたらどうなるのだろう?〉
 続く文章は藤井さん自身の願いだ。

 〈ボクは思いうかべました。街の中の段差はすっかり消え、みんなの中にある心の壁もなくなっていきます。いやな言葉も聞かれなくなりました。車いすに乗りながら、白い杖(つえ)を使いながら、手話や補聴器を使いながら、ヘルパーさんといっしょに、どんどん街に出ていきます。学校や仕事場にも障害のある人がたくさん。くらしかただって変わってきます〉
 バリアフリー化されたスポーツ観戦、自らがプレーヤーとなる障害者スポーツ、手話で楽しめる演劇や落語-。描かれる場面の数々はなおも存在する「壁」の裏返しでもあった。

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