高校最速ハードラー世界へ 古谷拓夢 陸上界の新星<2>|カナロコ|神奈川新聞ニュース

高校最速ハードラー世界へ 古谷拓夢 陸上界の新星<2>

山あいの町に生まれ、野山を駆けまわっていた少年時代の古谷(本人提供)

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 生まれ持った資質はあった。

 父の幸明さん(53)は静岡・御殿場西高で鳴らした元球児。筋骨隆々とした体形と、投手ながら50メートル5秒後半の俊足を誇った。「ベースランニングなら陸上部にも負けなかった」。そう語る父のばねは長男にも受け継がれていた。

 幼い頃、父に勉強しろと言われた記憶はない。キャッチボールしたり、虫捕りをしたり。そうした日常を送ってきた少年にとって、打ち込むスポーツがない生活はやはり寂しかった。

 「自分の走力を確かめるために一度、大会に出てみようと思った」。ただ、結果は想像以上だった。小学5年時、わずか2回の練習で出場した全国小学生陸上競技交流大会県予選会の100メートル決勝で2位に入った。

 「いきなり2番。もしかしたらこのまま行けるんじゃないか」。この原体験がサッカー少年を陸上選手に変えた。

 振り返り、思う。「サッカーを続けたい気持ちもあったし、もしも他の学校にいたらサッカーを続けていたかもしれない」。偶然か必然か。ひょんなことで陸上界に進んだ古谷は後に主戦場となるハードルと出合うが、これもまたささいなきっかけが生んだ。

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