近藤真彦「負けず嫌い」|カナロコ|神奈川新聞ニュース

近藤真彦「負けず嫌い」

旬漢〈2〉

「KONDO Racing」の近藤真彦監督

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 ごう音を立て疾走していくマシン。刻まれていくタイムをにらむのは、監督兼オーナーを務める近藤真彦(50)だ。俳優や歌手として活動していた近藤は、1984年にレーサーとしてデビュー。2000年に「KONDO Racing」を立ち上げ、国内最高峰の四輪レース「スーパーフォーミュラ」、市販車を改造した「スーパーGT」、「スーパー耐久」などに参戦し火花を散らしている。28日に「ツインリンクもてぎ」(栃木県茂木町)で開幕する「スーパー耐久」には、自動車エンジニアを目指す「日産自動車大学校」の生徒と共同で参戦。後進の育成にも一役買っている。今季の展望やレースにかける思いを聞く。

 「『レースの意気込みは?』とかさ、どこかのテレビ局が聞きそうな質問しかしないの」。インタビューを開始してすぐ、背筋がピリリとなる答えが返ってきた。「君たちらしいインタビューをしなさいよって言うんだけど。顔を青くして黙っちゃう子が多いんだよ」。日産自動車大学校の生徒たちの様子を聞いているのだが、まさにインタビュー中なのは私だ。ノートに言葉を書きとめるため、伏せていた目を上げるのがためらわれる。私の言葉とはなんだろう…。

 スーパー耐久のガレージに日産自動車大学校の生徒を招き入れたのは2012年。今年は「スリーボンド日産自動車大学校」のチーム名で日産GT-Rを駆る。生徒たちは授業の一環としてエンジニアのほか、成果を学校の公式サイトで報告するため選手や監督の取材、広報活動などを担当。レース当日は客を誘導するためのスタッフとしてもかけずり回っている。

 公式戦は全6戦の真剣勝負。天候の変化、他車とぶつかるなど、レース中にはさまざまなトラブルが発生する。求められるのは起きたことを正しくとらえ、次にするべき行動を考えていくこと。学校は横浜、京都など全国に5校あるため、初対面同士の生徒も多いが、求められるのは瞬時の判断。まごついている生徒には容赦なく喝が飛ぶ。

 「レースにマニュアルは通用しないよって言うんだよね。でも突発的なことに対応できない子は多い。いまの若い子たちは優しいんだけど、弱っちいんだよ」。生徒たちは近藤がアイドルだったことを知らない。知っているのは鬼の形相だけだ。「僕、怖い監督で通ってるから」とフォローはしない。実戦で学ぶ機会を最大限に活かして欲しい。「僕にインタビューしにきて怒られた子がね、怒鳴ったとき半べそだったの。でも何で怒れたのか考えたんだろうね。しばらしくたら、けろっとした顔して『新しい質問を考えてきました!』って来てさ。頼もしいよね」と鬼の顔の裏は愛であふれている。

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